【発症後1年3ヶ月】70代・女性・脳梗塞の改善事例②
歩行比較(正面)
- 70代
- 女性

ご利用者様情報
- 年代
- 70代
- 性別
- 女性
- 疾患名
- 70
- 発症からの期間
- 1年3ヵ月
- 症状
- 左片麻痺・高次脳機能障害(注意障害・半側空間無視)
- ご利用期間・回数
- 7ヵ月(週2回→宿泊プラン)
- リハビリ目標
- 歩けるようになる(歩いてトイレに行く)
リハビリの記録
RECORDご利用までの経緯
入院中に脳梗塞を発症し、その後回復期病院で約5ヶ月リハビリを実施されました。サービスを利用しながらご自宅で生活されていましたが、生活動作はほぼ全介助の状態でした。更なる改善を目指し当施設にお越し頂きました。
体験時の状況
重度の麻痺に加え、高次脳機能障害(半側空間無視・注意障害)を強く認めておりました。麻痺側の半側空間無視も影響し、常に非麻痺側を過剰に使っている状態でした。そのため中心線もずれており、歩行では最大介助(しっかりと支える)が必要でした。
リハビリ内容
座位(座った状態)・臥位(寝た状態)であれば麻痺側に注意を向けることができたたため、ベッド上での練習から開始しました。非麻痺側を過剰に使用する傾向がありそれが半側空間無視を助長させていたため、まずは非麻痺側を制御することを重点的に行いました。その上で麻痺側へ感覚をしっかり入力し、注意を向けながら麻痺側下肢の促通を実施しました。
最終的にはご本人にNEEDである歩行やトイレの実動作に近い形での練習や、立位での半側空間無視に対する介入も積極的に実施しました。
リハビリの結果
RESULT立位でも非麻痺側に過剰に頼った姿勢ではなく、正中位に近い状態で立位をとることが可能となり、麻痺側上肢の緊張も軽減を認めました。
歩行の能力は大幅に向上し、見守りでの歩行が可能となりました。歩行速度の向上も認めております。半側空間無視の評価においても改善がみられました。元々はトイレに行けない状態でしたが、トイレ動作も見守りで全て可能となりました。
最初に非麻痺側への介入を実施し、麻痺側への介入の準備をしたことで支持性・随意性の向上に繋がったと考えます。麻痺側への注意を促しつつ、座位・立位へと段階的に進めました。最終的にはより、実際の活動に近い形で麻痺側や半側空間無視に対して介入しました。
見守りで歩いてトイレに行けたり、ご家族と外食・外出(花見など)したり少しずつ活動範囲も広げることができました。屋外歩行も可能となっており、生活場面でも変化がみられてきて嬉しく思います。
大野 真之介