【発症後1年2ヶ月】60代男性・林様・脳梗塞・複視/バランス障害の改善事例②
上下の動き
- 60代
- 男性

ご利用者様情報
- 年代
- 60代
- 性別
- 男性
- 疾患名
- 小脳梗塞 脳幹梗塞
- 発症からの期間
- 1年2ヶ月
- 症状
- 複視(眼球運動障害) バランス障害
- ご利用期間・回数
- 3ヶ月・19回
- リハビリ目標
- 複視の改善 歩行の安定性向上
リハビリの記録
RECORDご利用までの経緯
1年8ヶ月に小脳テントに髄膜腫を認めました。1年半前に脳室が拡大し水頭症を発症、シャント術を施行。1年2ヶ月前に小脳テントの腫瘍摘出のため手術を受けた際に、小脳虫部、脳幹の一部に脳梗塞を発症されました。急性期・回復期病院に入院されリハビリを実施しました。
その後、自宅退院されましたが、複視やバランス障害が残存しており生活が送りにくい状況でした。
複視やバランス障害の改善を目的に当施設のご利用を開始されました。
体験時の状況
体験時は右目の眼球運動が低下しておりました。
そのため特に視野の下全体、左側に複視を強く認めていました。両目の協調した眼球運動も困難で左目の方が先に動く様子がみられました。
歩行は独歩で可能でしたが、体幹・右上下肢の失調症状によりふらつきを認めました。
また、複視を修正するために左側に頭部を傾けるため、歩行時の姿勢に影響を及ぼしていました。
リハビリ内容
頭部・体幹の正中を準備した上で、眼球に対してのリハビリを継続して実施しました。
眼球運動自体はリハビリ6回目時点でも大きな改善が得られ、上下左右斜めなどの動きもスムーズになりました。
しかし注視については、眼球が最終域まで動いたところでの眼振が残存していたため、不十分でした。
眼球の動きを細かく確認をしながら機能改善を図りました。
また普段よく見る距離での眼球運動やピント合わせも行いました。
リハビリの結果
RESULTご本人からは「良く見る範囲では特に問題はないです」との感想をいただいています。
しかし、動きの少ない場面での複視は改善しましたが、自身が動いたり、周囲が動く場面での複視は残存している状態です。
眼球運動の練習を徹底して行い、また「ピントを合わせる」「眼球運動の速度を変える」「瞬時に切り替える」など応用的に目を使う練習を実施しました。
結果として眼球運動や複視の改善は得られましたが、まだ9方向のうち、3方向に複視が残存しているため、引き続き複視に対してリハビリを実施していきます。
また、ご本人には「片足立ちや継ぎ足立ちができるようになりたい」というご希望がありますので、身体機能面へのリハビリも継続して行っていきたいと思っております。
百瀬 義一