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知っておきたい脳出血治療の選択肢【内科的治療から手術までを解説】
脳出血は突然発症し、命を脅かす病気です。
適切な治療により重大な後遺症が残る可能性を低減させることができます。
この記事では、脳出血の治療法について紹介します。
症状の早期発見と適切な対応を行う事で、日常生活を取り戻す事ができます。
以下に具体的な方法をお伝えします。
お読みいただくことで、適切な対処と予防についての理解が深まり、安心して日常生活をお送りいただければ幸いです。
脳出血とは?
脳出血は、脳内の血管が破裂し、血の塊を作り、脳を圧迫します。
それに巻き込まれた神経細胞が障害される病気です。
これにより、重篤な状況が発生することがあります。
脳出血は、脳梗塞・クモ膜下出血とともに、脳卒中に含まれる疾患のひとつです。
また脳出血は、脳卒中全体の約2割を占める疾患です。
脳卒中についての統計を見ていきましょう。
脳卒中は、1951年から約30年にわたって死亡の原因の第1位でした。
下記のグラフをご参照ください。
現在では、その後の急性期治療の進歩により、「がん」「心疾患」に次いで第3位となっています。
ですが下記の通り、脳卒中の患者の全体の数はむしろ年々増加しています。
2020年時点では、国内の脳卒中患者は、約174万人となっています。
また脳卒中による死亡率が低下していることは、その後に後遺症を抱えて生活する方が増えているということでもあります。
40歳〜64歳の2号被保険者の方が、介護が必要となった原因でもっとも多い疾患は、脳卒中(56.4%)です。
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脳出血の初期対応
脳出血が発生した際の初期対応によって、患者様の予後に大きく影響します。
ここでは、緊急時の対応策と病院での診断の手順について解説します。
適切な行動が患者様の生命を救い、回復を促進するための重要な鍵となります。
緊急時の対応策
- 救急車の呼び出し:症状が現れたら直ちに救急車を呼びます。脳出血の疑いがある場合、速やかな医療介入が必要です。
- 患者様の安全の確保:患者様が落ち着いた状態を保てるように、安全な場所に寝かせます。頭部はやや高くして血流を管理し、二次的な損傷を防ぎます。
- 呼吸の確保:患者様の呼吸が確保されているか常に確認します。意識が低下している場合は、気道が塞がれないように注意深く見守ります。
- 重要情報の伝達:救急隊員到着時には、患者様の現在の状態、観察した症状、持病や服用中の薬について詳しく伝えます。これにより、適切な初期対応が行えます。
上記の対応を迅速に行うことで、患者様の生存率と回復率を高めることが可能です。
脳出血は進行が早いため、緊急対応は命を左右することがあります。
↓↓↓脳出血が発生した際の初期対応については、こちらをご覧ください。
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脳出血を診断するための検査と手順
脳出血の診断は、以下のような検査によって行われます。
- CTスキャン:最も一般的で信頼性の高い検査で、出血の位置と規模を明確に示します。
- MRI検査:脳の詳細な画像を提供し、出血だけでなく、その原因となる他の脳疾患も検出することが可能です。
これらの検査により、患者様の状態に最も適した治療法を迅速に決定することができます。
脳出血の治療方法
ここの章では、脳出血に対する治療法について解説します。
治療には内科的治療と外科的治療があります。
並行して行われるリハビリテーションについても詳しくご紹介します。
内科的治療
ここでは脳出血における内科的治療法のなかで、特に降圧剤と抗浮腫剤の使用と、保存療法の効果について解説します。
降圧剤とは、血圧を迅速に低下させるために使用される薬剤です。
脳出血の際に、血圧が高いことで追加的な出血を引き起こすリスクが上がるため、これを抑制することが最優先となります。
- 降圧剤の利点は、出血の拡大を防ぎ、脳の損傷を最小限に抑えることです。
- 主に使用される降圧剤には、カルシウムチャネルブロッカーやACE阻害薬などがあります。
一方、抗浮腫剤は脳の腫れを管理するために用いられます。
これらの薬は、脳組織の浮腫を減少させ、それによって生じる圧迫感や痛みを軽減します。
- 抗浮腫剤には、ステロイドやマンニトールが含まれ、これらは脳内の余分な水分を速やかに除去することで圧力を下げます。
- 特に、重篤な脳出血において効果的で、患者様の予後の改善と生存率の向上に繋がります。
保存療法は、これらの薬物治療と併用されることが多く、積極的な手術介入を避け経過を観察することで、患者様の安定を図ります。
- 積極的な手術を避けることで、手術関連のリスクや合併症の発生を減少させることができます。
- ただし、保存療法は全ての患者様に適しているわけではなく、症状や出血の程度に応じた個別の評価が必要です。
これらの治療法は、患者様の状態に最も適した方法が選択されます。
外科的治療
脳出血に対する外科的治療は、症状の重さや出血の位置によって選択されます。
ここでは、開頭血腫除去術と内視鏡的血腫除去術、およびこれらの手術が適応となる症状と条件について詳しく説明します。
開頭血腫除去術
頭蓋骨を開いて直接血腫を除去する手術です。
この手術は、以下のような状況で行われます。
- 広範囲にわたる出血がある場合。
- 脳圧の急激な上昇が見られる場合。
この手術は、患者様の命を救う可能性が高い反面、手術に伴うリスクもあると言われています。
リスクには感染症や、手術後の合併症が挙げられます。
内視鏡的血腫除去術
小さな穴を開けるだけで行われるため、患者様にとっては負担が少なくなります。
この手術は以下のような状況に適しています。
- 比較的小さな血腫の場合。
- 手術によるリスクを最小限に抑えたい場合。
内視鏡的手術は、回復時間が短かく、患者様の入院期間も短縮されることが期待できます。
手術適応となる主な症状と条件は、患者様の全体的な健康状態、出血の程度、及び脳のどの部分が影響を受けているかによります。
これらの要因を総合的に考慮して、最適な治療法が行われます。
リハビリテーション
脳出血は患者様の身体的に深刻な影響を及ぼす可能性があり、効果的なリハビリテーションは回復過程で極めて重要です。
神経機能の回復のメカニズムはまだ解明されていないことも多いのですが、早期にリハビリテーションを開始することは、機能回復に重要な要因の一つと言われています。
また、リハビリテーションは身体機能の回復だけでなく、心理的・社会的な回復も意味しています。
その人がもともと行っていた日常生活をスムーズにおくれるようになることも重要とされています。
リハビリテーションの具体的なメリットやその裏付けについて解説していきます。
- 神経可塑性の促進
脳の可塑性とは、経験や学習によって脳が変化し、適応する能力のことです。
リハビリテーションは、脳の神経可塑性、つまり損傷後の脳が新たな神経経路を形成することなどを利用して、機能の再建を促進することが可能と言われています。
積極的なリハビリテーションは、損傷した脳領域の周辺での新たな神経経路の形成を助け、失われた機能の一部を回復させる可能性があります。
しかし、リハビリテーションに一貫性がなければ、その新しい神経接続は十分な繋がりを持てません。
リハビリテーションは、「反復性」と「一貫性」が大切です。
- 機能的回復の最大化
リハビリテーションプログラムは、患者様が失われた運動能力や言語能力を最大限に回復させることを目指します。
リハビリテーションとしては、理学療法、作業療法、言語療法が必要に応じて実施されますが、患者様一人ひとりに合わせたプログラムであることが大切です。
- 日常生活への再適応
リハビリテーションは患者様が社会に再適応し、自立した生活を送るためのサポートも行います。
これらの介入は、脳出血患者様の生活の質を大幅に改善するために重要です。
リハビリテーションの早期開始は、特に重要で、機能的回復の可能性を大きく向上させるといわれています。
リハビリテーションの種類とその目的
リハビリテーションには以下のような種類があり、それぞれが特定の目的を持っています。
- 理学療法:寝返る、起き上がる、座る、立つ、歩くといった基本動作の改善を目指します。
- 作業療法:作業療法は、食事をする、服を着替えるといった、人間の営みに欠かせない日常生活動作(ADL)の改善を目指します。
- 言語療法:言語療法は、言語障害によるコミュニケーション能力低下の改善をします。
また嚥下障害がある場合の咀嚼や飲み込みの改善、適切な食事形態の選択を行います。
これらのリハビリテーションは、患者様が可能な限り元の生活に戻ることを支援するために重要です。
脳神経リハビリセンターで行っているリハビリの例をご紹介します。
自主練習のご提案
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脳出血の症状に注意!【初期チェックから予防策と後遺症のリハビリ】
脳出血の予防方法
この章では、脳出血を予防するための具体的な方法について解説します。
日常生活での簡単な予防策から、高血圧の管理、定期的な健康診断の重要性まで、広くご紹介します。
日常生活でできる予防策
脳出血を予防するためには、以下の日常生活での習慣が推奨されています。
- バランスの取れた食事:塩分と脂肪の摂取を控え、果物や野菜を多く取り入れます。
- 定期的な運動:週に数回、軽い運動を心がけることで血圧を健康的な状態に保ちます。
- 禁煙と節酒:タバコは血管を収縮させ、アルコールの過剰摂取は血圧を上昇させるため、これらを控えることが効果的です。
予防のための薬物療法
高血圧の薬物療法に用いられる主な薬とその特徴を解説します。
- カルシウム拮抗薬:
血管を拡張する作用があります。年齢や性別に関係なく効果があります。
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB):
腎保護作用があり、腎臓病のある患者様に推奨されます。 - 利尿薬:
余分なナトリウムと水分を排出します。特に塩分摂取が多い日本人に適しています。
薬の種類はこの他にもありますが、患者様の健康状態、生活習慣に合わせて適切に選ぶことが重要です。
高血圧の薬物療法により、脳出血を含む心血管疾患のリスクを効果的に低減させることができます。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回解説した、脳出血についてと、治療方法、および予防策までを以下にまとめます。
- 脳出血は早期発見と迅速な治療が、回復の鍵を握ります。
- 内科的治療と外科的治療を適切に組み合わせることが重要です。
- リハビリテーションは、患者様が日常生活に復帰するために不可欠です。
- 生活習慣の改善と高血圧の薬物療法による予防は、再発防止に効果的です。
脳出血についての適切な知識と対策が患者様の生命を救い、その後の日常生活の質を保つために大切です。
この情報が患者様やご家族様にとって有益なものとなれば幸いです。
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この記事を書いた人
細葉 隆
理学療法士
2006年に理学療法士免許を取得。
一般病院・訪問リハビリ・介護老人保健施設・通所リハビリと全てのステージで脳卒中を中心としたリハビリを経験。
2024年、公的保険で回復できなかったお客様の改善をしたいという想いから、脳神経リハビリセンター仙台に勤務。
私はこれまでに様々なお客様とそのご家族とリハビリを通して関わってきました。お客様の夢や目標に向かってチームとして、そしてセラピストとして携わってきました。私のモットーはお客様や家族の方と同じ方向を向き、寄り添いながら一緒に進んでいくことです。
脳神経リハビリセンターでは、充分な時間と最新の機材が整っており、リハビリを必要としている方の夢を叶える場所であると確信しています。
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