当リハビリセンターのリハビリ
REHABILITATION
一般的なリハビリ
脊髄小脳変性症は進行性の難病です。その為、行うリハビリはお客様やニーズによって変わっていきます。共通するリハビリとしては、四肢の協調性と姿勢、バランスに関する訓練を実施していきます。
具体的な方法として、以下のようなものが挙げられます。
1.フレンケル(Frenkel)体操
背臥位、座 位、立位のように安定した姿勢から不安定な姿勢、簡単な運動から複合的な難しい運動課題に移行していきます。
2.おもり負荷(重錘負荷法)
運動学習を進め、運動・動作の改善をはかることを目的に利用し、上肢では200g~400g、下肢では300g~600g程度のおもりや重錘バンドを巻いた状態で行います。
3. 弾性包帯(弾性緊縛帯法)
運動学習を進め、運動・動作の改善をはかることを目的に利用するし、体幹や四肢近位部の筋の筋 腹から関節にかけて弾性包帯を巻いて圧迫して動作練習を行います。
4.PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation、固有受容性神経筋促通法)
固有受容器を刺激することによって、神経、筋の活動を促進しようとする手技です。運動失調に対しては、スローリバーサル(運動方向に抵抗を加えながら、等張性収縮を用いて拮抗する運動を行う手技)、リズミック・スタビリゼーション(等尺性収縮を拮抗する方向に、交互に抵抗を加える手技)などの手技が適応となります。
5.下肢装具
下肢の疾患や障害がある場合に、その保護や機能の補助などを行う目的で作成される装具の総称です。制御する関節は股関節、膝関節、足関節、および足部の各関節に適応されます。脊髄小脳変性症では靴型装具、下肢に痙縮のある症例には金属支柱付き短下肢装具を使用する場合もあります。
6. 歩行補助具
体重を支持し、バランスをとり、歩行を補助する目的で使用される補助具を指します。脊髄小脳変性症ではT字杖、ロフストランド杖、抑速ブレーキ付き歩行器もしくは重錘バンドを巻いた歩行器などが使用されています。
7.環境整備
主に在宅で生活する対象者への環境整備には、身体機能に合わせた設備機器の選択と住環境整備、周辺地域の町並みや公共交通機関、トイレなどの公共施設などの利用方法の伝達等が実施されます。(参考:脊髄小脳変性症理学療法ガイドライン より)
お客様個々のニーズに合わせたリハビリを実施していき、寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行と言った基本的動作に繋げていく事が重要となっていきます。また、目標を達成するためにも、お客様の能力を引き出すこともリハビリの一つです。その為にも精神面・心理面のサポートや新たな課題に対しても対応させて頂きます。
当リハビリセンターのリハビリ
当リハビリセンターは、病院と遜色のないリハビリが提供出来るよう、専門知識と最新の機器を兼ね備えた施設となっております。リハビリの内容は、麻痺による手を使用した作業、歩行を始めとした基礎動作等々、お客様のニーズに全て応えられるようになっております。
主な流れは、以下のとおりです。
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体験時にカウンセリング、全体の評価及びリハビリ
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体験後、問題点や課題を把握
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機能改善・目標達成までのプランを立案
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お客様のニーズに合わせたリハビリを実施
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再評価・目標の達成度の確認
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目標達成
また当リハビリセンターは、一般的なリハビリ施設との大きな違いが2つあります。
(1)お客様のニーズを優先
お客様の身体能力、環境、進行度に合わせ総合的に考えたリハビリを実施していきます。また、今後予想される、変化や身体状況の対策・予防方法についても随時対応させて頂きます。また、弊社は福祉用具関連事業も展開しており、症状や生活に考慮した、福祉用具の相談も随時対応させて頂きます。
お客様が持っている「悩み」や「またやりたい事」があれば是非ご相談ください。私たちはお客様が求めているニーズ・希望に沿ってリハビリ計画と目標の立案を実施し、お客様に寄り添ってリハビリの対応を行っていきます。
(2)セラピストと最新のテクノロジーの融合
また当リハビリセンターでは、最新のテクノロジーを使用したリハビリにも力を入れております。身体を動かすには、お客様本人の意思が必要不可欠となります。セラピストがただ意図的に動かすよりも、「イメージした動作」と「実際の動作がリンク」することによって脳は活発になります。このことを繰り返し、「できた!」と言う感覚を増やし、モチベーションを上げることが脊髄小脳変性症のリハビリの基礎となります。
脊髄小脳変性症に関しても、HAL®を始めとしたロボットによるリハビリは即時効果、歩行能力の改善など多く報告されております。
それを実現するテクノロジーとして、当リハビリセンターでは、筑波大学が開発したロボットスーツ HAL®(Hybrid Assistive Limb®)や信州大学が開発した歩行支援ロボットcurara®を活用してリハビリを実施していきます。これらのロボットは、実際に脊髄小脳変性症を始めとした、脳・神経に関する疾患を患った方に対して、改善が見られた実績のあるリハビリロボットになります。
このようにセラピストの専門的な知識と経験、テクノロジーによるお客様の秘めている能力を引き出す事で後遺症の改善を目指していきます。改善した後は、そこから動作に繋げ、生活に繋げ、暮らしに繋げると言う順序で脊髄小脳変性症に対するリハビリを行います。
最後に
脊髄小脳変性症は進行性の疾患です。しかし、リハビリを導入することによって、その進行を遅らせることが可能となります。当リハビリセンターでは、リハビリロボットによる動作練習とセラピストによる、専門的な知見を掛け合わせ、お客様の能力に合わせた適切なリハビリを提供していきます。また身体状況に応じた難易度を設定していき、段階を踏みながら目標を達成していけるリハビリを行います。
些細な事でも大丈夫です。困っている事がありましたら是非、ご相談ください。私たちはいつでもお待ちしております。