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高次脳機能障害はリハビリで治るのか【適切な訓練の方法とその効果】

こんにちは!脳神経リハビリセンター名古屋の水谷です。

高次脳機能障害は日常生活大きな影響を及ぼします。

この症状を放置すれば、患者様の社会復帰や生活の質が大きく低下する可能性があります。

この記事では、多様化しているリハビリテーションを解説し、症状に対する具体的な改善策をご紹介します。

この情報で、患者様とご家族様がより良い未来を築く第一歩となれば幸いです。

高次脳機能障害の概要

高次脳機能障害の概要

この章では、高次脳機能障害の定義から診断方法まで解説します。

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指します。

この中には失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれます。

この障害は、事故や病気が原因で起こることが多いです。

高次脳機能障害には、以下の特徴があります。

  • 認知機能の障害:記憶力や注意力、計画を立てる能力の低下が見られます。
  • 日常生活への影響:自立した生活が困難になる場合があります。

高次脳機能障害の診断を受けた患者様の数

厚生労働省 平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者実態調査)によれば、医師から高次脳機能障害と診断された者の数は327千人と推定され、内、男性が190千人、女性が135千人となっています。(不詳3千人)


厚生労働省 平成28年生活のしづらさなどに関する調査
      調査結果の概要 第4表 より筆者が作成 
参照元:厚生労働省 平成28年生活のしづらさなどに関する調査

主な症状とその影響

高次脳機能障害には様々な症状がありますが、主に以下のような影響が現れます。

  • 記憶障害:新しい情報を覚えることが困難になります。
  • 注意障害:集中することができず、作業が途切れがちになります。
  • 遂行機能障害:日常的なタスクの計画や実行が難しくなります。

発症する原因

高次脳機能障害の主な原因は以下の通りです。

それぞれに適した予防策と早期発見が重要です。

  • 外傷性脳損傷:交通事故やスポーツ中の衝撃が原因。
  • 脳血管障害:脳卒中などが原因となることがあります。

診断方法の進化

近年、高次脳機能障害の診断方法は大きく進化しています。

最新の診断技術により、より正確な診断が可能になっています。

  • 画像診断:MRIやCTを用いた詳細な脳の検査です。
  • 神経心理学的テスト:記憶、思考、判断等の高次脳機能を定量化するための検査です。

高次脳機能障害のリハビリテーション概要

高次脳機能障害のリハビリテーション概要

この章では、高次脳機能障害のリハビリテーションについて、目的と期待される効果、実施方法、および最新技術をご紹介します。

リハビリテーションの目的と期待される効果

高次脳機能障害のリハビリテーションは、日常生活での自立を支援することを目的としています。

このリハビリテーションによって、患者様は以下のような具体的な効果を期待できます。

  • 認知機能の向上:リハビリテーションにより、記憶力、注意力、問題解決能力などの認知機能の向上が期待されます。

    これは、日常生活の中で必要とされる多くの課題を自立して行う能力に直接つながることがあります。

  • 精神的な健康の改善:リハビリテーションは患者様の自信を回復し、抑うつや不安を軽減する効果も期待されます。

    患者様が自己効力感を感じることで、リハビリテーションへの取り組みも積極的になります。

↓↓↓高次脳機能障害の包括的な情報については、こちらの記事をご覧ください。
これは高次脳機能障害なのですか?【診断方法から治療法までを解説】

これらの効果は、患者様が社会へ再適応する過程で極めて重要であり、セラピストは個々の患者様のニーズに合わせた個別のプログラムを計画します。

リハビリテーションの目標は、患者様が最大限に日常生活に復帰できるよう支援することです。

基本的なリハビリテーションの種類

高次脳機能障害のリハビリテーションでは、患者様の具体的な症状とニーズに合わせてさまざまな手法が用いられます。

以下に主なリハビリテーションの種類をご紹介します。

  • 理学療法:患者様の運動機能の改善を目的とし、患者様が日常生活での動作をより効果的にこなせるようサポートします。
  • 作業療法:日常生活動作(ADL)の向上を目標とし、患者様が自宅や職場での活動を自立して行えるように訓練します。

    調理や掃除などの応用的な日常生活活動を含む日常のタスクが対象となります。

  • 言語療法:言語障害がある患者様に対して、コミュニケーション能力の改善を支援します。

    発音、理解、表現の訓練を行い、言語能力の回復を促します。

    また、嚥下障害の改善にも関連する技術が用いられることがあります。

これらのリハビリテーションは、患者様の生活の質を大幅に向上させるための重要な手段となります。

各療法は専門のセラピストによって慎重に計画され、患者様一人ひとりの状態に合わせて策定されます。

リハビリの進め方と期間

リハビリテーションは、患者様の具体的な症状や治療の目的に応じて個別に計画されます。

治療の期間は患者様の状態と回復の進行によって大きく異なります。

ここでは、一般的なリハビリテーションの進め方と期間について解説します。

  • 初期評価:リハビリテーションの開始時には、患者様の現在の身体的、認知的状態などを評価します。

    ここでは、運動機能、感覚機能、認知機能などの詳細な評価を行います。

  • 目標設定:評価結果を基に、患者様とセラピストで具体的な治療目標を設定します。

    これらの目標設定は、患者様の日常生活の質を向上させることに焦点を当てます。

  • 治療計画の実施:設定された目標に向けて、理学療法、作業療法、言語療法など、必要に応じて複数の治療が組み合わされます。
  • 再評価と目標や方針の修正:リハビリテーションが進むとともに、患者様の改善を定期的に評価し、必要に応じて治療計画を修正します。
    これらにより、より効果的なリハビリテーションを目指します。

リハビリテーションの期間は、患者様の初期状態、設定された目標、および個人の回復速度などによって異なります。

一般的に、入院でのリハビリは数週間から半年にわたる場合が多いですが、患者様が目標を達成するために必要な時間は一人ひとり異なります。

具体的なリハビリテーション方法

具体的なリハビリテーション方法

この章では、高次脳機能障害に対する具体的なリハビリテーション手法を掘り下げて説明します。

それぞれの障害タイプに応じたアプローチを詳しく解説し、実際の治療例を通じてその効果を見ていきます。

注意障害に対するリハビリ方法

注意障害には、持続性・選択性・分配性・転換性などの種類があります。

例えば分配性の注意障害(注意をを振り分ける)ことが困難であるケースは、複数の課題を同時に行う訓練などがあります。

遂行機能障害に対するリハビリ方法

遂行機能障害には、日常生活に必要な計画や実行機能を強化する訓練が必要です。

以下のような方法があります。

  • 解決方法や計画の立て方をセラピストと一緒に考える訓練。
  • マニュアルを利用して手順どおりに自分で作業を遂行する訓練。
  • スケジュールで枠組みを作って行動をパターン化する訓練。

視覚認知障害(半側空間無視など)に対するリハビリ方法

視覚認知障害に対するアプローチは、視覚情報の処理を改善するための訓練に焦点を当てます。
以下のようなリハビリがあります。

  • アクティビティー:視覚や聴覚、触覚など感覚を刺激することで脳に刺激を与え、認知能力改善を図るリハビリ方法です。

    塗り絵や折り紙、習字などの創作活動や、音楽や絵画などを行うこともあります。

日常生活でのリハビリの取り入れ方

日常生活でのリハビリの取り入れ方

この章では、日常生活の中でリハビリテーションを効果的に取り入れる方法に焦点を当て、家庭や職場での実践的なアプローチと社会活動への結びつきを解説します。

家庭でできるリハビリテーション

家庭でのリハビリは、患者様が快適で慣れ親しんだ環境で行う事が可能です。

以下はその具体例です。

  • 簡単な家事活動:料理や掃除など、日常の動作を通じて遂行機能などを向上させます。

職場での支援と配慮

職場においても、適切な支援と配慮により職場復帰をサポートできます。

具体的な方法は以下の通りです。

  • 作業環境の調整:集中できる場所の確保など。
  • 柔軟な勤務体制:短時間勤務や時差出勤の許可を受けることで、疲労をコントロールします。

社会的な活動への参加

社会的な活動への参加は、患者様の社会性と自信を向上させます。

リハビリを社会活動と結びつける方法には、以下があります:

  • 地域のイベントへの参加:地域社会との交流を通じて、相互扶助を構築します。
  • ボランティア活動:他者への貢献を通じて、自己効力感を高めます。

病態認識と自己管理

病態の認識と適切な自己管理は、リハビリテーションの成功に必要です。

以下はそのための対策です:

  • 症状日記の記録:日々の症状の変化を記録し、治療効果を把握する。
  • 学習プログラムへの参加:病態や治療方法に関する知識を深めるためのセミナーやワークショップに参加する。

まとめ

まとめ

この記事では、高次脳機能障害とそのリハビリテーションについての重要な情報をお伝えしてきました。

主なポイントを振り返ります

  • 高次脳機能障害は、脳の損傷により認知機能が低下する状態です。

    この障害は生活全般に影響を及ぼすため、適切な理解と対応が必要です。

  • リハビリテーションは、患者様が日常生活へ復帰するための支援を目的としています。

    個別のニーズに応じたリハビリテーションプランが、機能回復と自立を促進します。

  • 家庭や職場でのリハビリテーションの実施は、患者様が環境に溶け込みながら治療を受けることを可能にし、社会復帰をスムーズにします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が、高次脳機能障害を持つ患者様やそのご家族様、治療を担当する医療従事者の方々に、有用な情報源となり、より良いリハビリテーションの進め方や日常生活への適応を助ける一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人
水谷 滉希

水谷 滉希

理学療法士

2017年に理学療法士免許を取得。同年より理学療法士として勤務。一般病棟、地域包括病棟、回復期病棟、外来リハビリ、訪問リハビリ等様々な分野でのリハビリを経験。
2022年には名古屋市内の回復期病棟立ち上げをチームリーダーとして携わる。2023年10月脳神経リハビリセンター名古屋に勤務。
私は常に「諦めない気持ち」を大切にしています。セラピストとお客様が二人三脚となり、最後まで諦めず目標達成を目指しています。全力でサポートさせて頂きます。目標達成に向けて一緒に歩んでいきましょう。