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脊柱管狭窄症の代表的な薬を紹介【効果・副作用・リハビリ併用も!】

こんにちは!神奈川県横浜市にある脳神経リハビリセンター横浜で理学療法士をしている中田です。理学療法士のキャリアは22年になります。

脊柱管狭窄症の痛みやしびれに「薬で本当に良くなるのか?」と不安を抱える方は少なくありません。

適切に理解しないと改善が遅れ、歩行のつらさが長期化する恐れもあります。

本記事では薬の役割や限界、併用すべきリハビリのポイントをお伝えいたします。

お読みいただき、ご自身に合った改善の道筋を立てていただければ幸いです。

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症とは、背骨(脊椎)の内部には、脳から続く脊髄神経が通る「脊柱管」というトンネル状の空間があります。

この脊柱管が狭くなることで神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気です。

この章では、脊柱管が狭くなる仕組みと部位ごとの特徴、代表的な症状の理由について解説します。

脊柱管が狭くなる「仕組み」

前述の通り、脊柱管とは、脊椎の中央を縦に通る神経のトンネルです。

ここを通る神経は脳から続いていて、脊髄神経と言います。

加齢や生活習慣の影響により、以下のような構造的な変化が起こります。

  • 椎間板(ついかんばん):背骨のクッション  
    加齢により弾力を失い、潰れることで神経を圧迫します。
  • 椎間関節(ついかんかんせつ):背骨同士のつなぎ目
    変形や炎症によって骨の棘(骨棘)が生じ、神経の通り道を狭めたり、神経を刺激します。
  • 黄色靭帯(おうしょくじんたい):脊柱管の後方を覆う靭帯  
    加齢や姿勢の影響で厚くなり、脊柱管を圧迫します。

このような変化が重なることで脊柱管を通る脊髄神経の圧迫が進行し、痛みやしびれが現れます。

特に立位や歩行時に悪化し、前かがみで楽になることが特徴です。

腰部・頚部・胸部で異なる原因と症状の特徴

脊柱管狭窄症は部位により原因と症状が異なります。

どの部分で神経が圧迫されるかによって、出る症状が変わるため注意が必要です。

  • 頚部脊柱管狭窄症:腕や手のしびれや脱力感が生じ、箸が使いにくいなどの細かな動作障害がみられます。
  • 胸部脊柱管狭窄症:まれですが、歩行中に両足が重く感じたり、体幹のバランスが崩れやすくなります。
  • 腰部脊柱管狭窄症:お尻や脚にしびれ・痛みが出て、長く歩けない「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が代表的です。

姿勢や体位によって脊柱管の広さは変化し、前かがみ姿勢で症状が軽減する理由もここにあります。

これを「体位依存性の狭窄」と呼び、診断の重要な手がかりになります。

間欠性跛行が起こる理由

間欠性跛行とは、歩行を続けると脚がしびれたり痛くなり、少し休むと再び歩けるようになる症状です。

これは、歩行によって脊柱管内の神経が圧迫され、血流が一時的に低下するために起こります。

神経は酸素や栄養が不足すると痛み信号を発しやすくなり、特に腰部や下肢の神経症状が出やすいです。

しかし、前かがみ姿勢を取ることで脊柱管が広がり、神経への圧迫が軽減され、症状が和らぎます。

これが「休むと楽になる」理由です。

ただし、放置すると神経障害が進行し、安静時にも痛みが出ることがあります。

そのため、早期に医療機関で画像診断を受け、症状の原因を正確に把握することが重要です。

頚部・胸部・腰部いずれの狭窄も、放置すれば歩行障害や手足の麻痺に進行するおそれがあります。

排尿障害や下肢の麻痺がある場合は手術が必要ですが、多くの患者様は保存療法(運動・姿勢・温熱)で改善が期待できます。

改善が期待できる理由とは?

脊柱管そのものを広げることは難しいものの、筋肉・血流・神経の働きを整えることで症状を緩和することは十分可能です。

リハビリセラピストが行うアプローチでは、筋の緊張を緩め、関節の動きを整え、痛みの原因となる神経圧迫を間接的に軽減します。

特に、腰部周囲の筋肉(体幹・殿筋・股関節)を柔らかく保ち、神経への負担を減らすことが、症状を改善する鍵です。

また、姿勢や歩行の癖を修正することで、再発を防ぎながら機能を取り戻すことができます。

このように、正しいリハビリを継続すれば、「治らない」と感じていた痛みも、少しずつ軽減し、再び快適な生活へと近づけます。

  • 脊柱管狭窄症は神経圧迫による慢性疾患ですが、機能改善は可能です。
  • 腰部・頸部・胸部で症状が異なり、生活動作に影響を与えます。
  • リハビリで、痛みやしびれを軽減し再発を予防できます。

脊柱管狭窄症の薬は“役割”で分けて考える(主要な3分類)

脊柱管狭窄症の薬は“役割”で分けて考える(主要な3分類)

この章では、脊柱管狭窄症で使われる薬を三つの役割に分けて整理します。

役割を理解すると、ご自身の症状に合う薬の方向性がつかみやすくなり、改善までのイメージが明確になります。

① 痛みを抑える薬(NSAIDs・アセトアミノフェン)

痛み止めは腰や脚の痛みを抑え、日常生活の負担を減らす目的で使われます。

NSAIDsとは、炎症を抑えて痛みを軽くする薬の総称です。

よく耳にするロキソニンもNSAIDsに含まれます。

アセトアミノフェンは胃への負担が比較的少ないとされ、軽度〜中等度の痛みに使われます。

よく耳にするカロナールはアセトアミノフェンを主成分とした薬です。

痛み止めは動作の助けにはなりますが、狭くなった脊柱管そのものを広げる働きは持ちません。

痛みが強い時期の生活を支える役割として活用されることが多いです。

② 神経の痛みやしびれに使われる薬(プレガバリン・タリージェなど)

神経由来の痛みやしびれには、神経の興奮を抑える薬が使われます。

これらの薬は神経が過敏になった状態を落ち着かせ、しびれや電気が走るような痛みを和らげます。

副作用として眠気が生じることがありますが、量を調整しながら安全に使う方法が選択されます。

症状が強い時期には、リハビリと併用することで動作改善が進みやすくなります。

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【2025年版】自費リハビリの料金相場と選び方をわかりやすく徹底解説!

③ 歩行のつらさを和らげる薬(リマプロスト/オパルモン)

歩行中に脚の痛みが強くなる「間欠性跛行」には、血流を改善する薬が使われます。

血管を広げて神経への血流を増やし、歩行距離が伸びやすくなることが期待されます。

ただし、効果には個人差があり、症状が長期間続く場合は医師へ相談する必要があります。

歩行の負担を軽くする薬として、生活の質を保つ目的でも活用されます。

補助的に使われる薬:筋弛緩薬・ビタミンB12・漢方薬

筋肉の緊張が強い場合には筋弛緩薬が使われ、末梢神経の回復を助ける目的でビタミンB12が処方されることがあります。

漢方薬は体質や症状に合わせて用いられ、冷えや血流の滞りが気になる方に選ばれることもあります。

補助的な位置づけの薬ですが、組み合わせることで症状が和らぐ場合があります。

症状タイプ別にみた「薬が選ばれやすい場面」

症状に合わせて薬が選ばれやすい場面は次のとおりです。

  • 腰の痛みが主体の場合:NSAIDs・アセトアミノフェン
  • しびれや神経痛がつらい場合:神経の痛み止め
  • 歩行距離が短くつらさが続く場合:血流改善薬

薬だけで完結しない場合には、動作や姿勢の改善が役立つことがあります。

薬の役割を理解すると、リハビリや生活の工夫を組み合わせた改善が進めやすくなります。

薬の効果・副作用・“効かないと感じる理由”をやさしく整理

薬の効果・副作用・“効かないと感じる理由”をやさしく整理

この章では、脊柱管狭窄症で使われる薬の特徴と副作用、さらに「効かない」と感じる理由を整理します。

仕組みを知ることで薬への理解が深まり、不安の軽減や改善に向けた行動が進めやすくなります。

各薬の特徴と期待できる効果(一般的な範囲で説明)

痛み止めは腰や脚の痛みを和らげ、動きやすい状態をつくる役割を持ちます。

神経の痛み止めは過敏になった神経の興奮を抑え、しびれや電気が走るような痛みを軽くします。

血流改善薬は歩行時に起こるつらさを和らげ、歩ける距離を伸ばすことが期待されます。

どの薬にも「症状を軽くする」目的があり、脊柱管そのものを広げる働きはありません。

副作用の基本|不安を減らすために知っておきたいポイント

副作用の例として、胃の不調や眠気があげられます。

眠気が強い場合は量の調整や薬の変更で対応できる場合があります。

不安がある場合には早めに医師へ相談することで、安全に継続しやすくなります。

副作用が心配な場合、動作の工夫やリハビリを併用することで薬の量を減らせる可能性があります。

薬が効かないと感じる理由|身体の使い方・生活動作との関係

薬が効きにくい背景には、姿勢や動作が影響することがあります。

特に背すじを伸ばし続ける姿勢や長時間の立位は、神経への負担を増やします。

歩きすぎや無理な家事動作も症状を悪化させ、薬の効果が実感しにくくなる場合があります。

姿勢や動きを調整すると薬の効果を感じやすくなるケースがあります。

市販薬・漢方薬はどこまで期待できる?注意点も解説

市販薬は一時的な痛みの軽減には役立ちますが、しびれや歩行のつらさには十分でない場合があります。

漢方薬は体質に合わせて使われますが、効果に個人差があり時間がかかることがあります。

  • 市販薬は痛みが軽い時期に有用な場合がある
  • 継続して症状が強い場合は医療機関での相談が必要

市販薬だけで改善しない場合には、早めに受診することで悪化を防げます。

薬と併用してできる“改善へのステップ”|理学療法士が伝えたいポイント

薬と併用してできる“改善へのステップ”|理学療法士が伝えたいポイント

この章では、脊柱管狭窄症を改善するために薬と併用できるリハビリや動作の工夫を整理します。

薬だけで良くならない理由を明確にし、姿勢や生活動作を整えることで症状が軽くなる仕組みをお伝えします。

薬だけでは改善しにくい理由|構造・姿勢・動作の問題を整理

脊柱管狭窄症では、神経を圧迫する姿勢や動作が続くと症状が強くなります。

薬は痛みやしびれを和らげますが、背骨の動き方や筋肉の硬さまでは変えられません。

症状が続く背景には「身体の使い方」が大きく関係するため、薬だけで改善しにくい場合があります。

痛みやしびれを和らげつつ行うリハビリの重要性

リハビリでは姿勢の調整や筋肉の働きを整え、神経への負担を減らすことをめざします。

特に股関節や体幹の動きが改善すると、背骨が過度に反らず神経への圧迫が軽くなります。

薬で痛みが軽くなった時期にリハビリを併用すると、改善の進みが早くなる傾向があります。

脳神経リハビリセンターのリハビリによる改善事例を紹介します。

【発症後2年】60代男性・脊髄梗塞・対麻痺の改善事例

手術中の合併症にて発症し回復期病院でのリハビリを経て自宅退院をされました。

退院後は週2回の訪問リハビリと自主トレーニングを継続して行ってきました。

介護保険でのリハビリに加え、積極的な改善に取り組みたいというご希望で来店して頂きました。

  • Before:歩行器での歩行時に体幹の屈曲が生じていた

     →After:体幹の屈曲が減少し重心が高くなった !

  • Before:杖歩行実施困難

     →After:10m以上の屋内四点杖歩行が可能に !

  • Before:立ち上がり動作が上肢優位になっていた

     →After:骨盤前傾、体幹伸展を伴う立ち上がりに!

  • Before:キャスター付き歩行器の導入(5mを19’3秒、16歩)

     →After:歩行速度が改善(5mを15’6秒、14歩)!

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歩行のつらさ(間欠性跛行)を軽減するための動作・姿勢の工夫

歩行でつらさが出やすい方は、背すじを伸ばしすぎる姿勢になっていることがあります。

少し骨盤を後ろに傾ける意識をもつと脊柱管が広がり、神経への圧迫が軽くなります。

歩幅を小さくし、短い距離で休むことも症状を抑える工夫の一つです。

このような調整で薬の効果を感じやすくなる場合があります。

ご家族様も知っておきたい「日常生活で悪化を防ぐコツ」

日常生活では、反り腰や長時間の立ち姿勢が神経の負担を増やします。

下記のような工夫で症状が軽くなる場合があります。

  • 台所作業では片足を軽く台に乗せて腰の反りを防ぐ
  • 荷物を持つときは体に近づけて腰への負担を減らす
  • 長時間の立位・座位は避け、こまめに姿勢を変える

無理をしない環境づくりが、ご家族様のサポートとして役立ちます。

薬の変更・追加を相談すべきタイミング(医師へ相談するポイント)

薬を飲んでも痛みやしびれが強い場合は、早めに医師へ相談することが大切です。

以下のような場合は相談を検討します。

  • 歩行距離が極端に短くなり日常生活に支障が出ている
  • しびれが広がる、または強くなる
  • 眠気など副作用が生活に影響している

気になる変化がある場合には早めに相談することで悪化を防げます。

まとめ|薬だけに頼らず、安全に改善を目指すための道筋

まとめ|薬だけに頼らず、安全に改善を目指すための道筋

この章では、脊柱管狭窄症の改善に必要な考え方を整理します。

薬の役割を正しく理解し、リハビリや生活動作と組み合わせることで、痛みやしびれが軽くなる可能性が高まります。

ご自身の状態に合わせた道筋を知ることは、改善への第一歩になります。

薬の役割を正しく理解することが改善の第一歩

薬は痛みやしびれを軽くし、日常生活を過ごしやすくするために使われます。

一方で、狭くなった脊柱管そのものを広げる働きはありません。

薬の目的を正しく理解すると、必要以上に不安を抱かずに治療へ向き合えます。

症状が続く場合には、薬を見直したりリハビリを取り入れたりする選択がしやすくなります。

薬+リハビリ+生活習慣の3本柱が最も再現性の高い改善戦略

脊柱管狭窄症の症状は、姿勢の癖や動作の負担と深く関係します。

薬で痛みを抑えつつ、背骨への負担を減らす動き方を習得すると症状が軽くなりやすくなります。

生活習慣も重要で、反り腰を避ける姿勢やこまめな休息が改善に役立ちます。

リハビリでは安全な範囲での運動や姿勢の調整を行うため、薬だけの治療よりも改善が長続きしやすい特徴があります。

困ったときに相談すべき専門職と、その役割まとめ

症状が続く場合は、一人で抱えずに専門職へ相談することが大切です。

次の専門職が役割を分担しながら改善を支えます。

  • 医師:薬の調整、症状の評価、治療方針の判断
  • 理学療法士:姿勢・動作の改善、歩行指導
  • 薬剤師:薬の飲み方や副作用の相談

「どこに相談すれば良いのか分からない」という不安は早めに解消することが大切です。

改善の道筋を理解し、薬とリハビリを適切に組み合わせることで、より安全で無理のない回復をめざすことができます。

本記事でもお悩みを解決できない場合は、ぜひ弊社までご相談ください

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この記事を書いた人
中田 裕

中田 裕

理学療法士 / 認定理学療法士(脳卒中 / 管理・運営)

2003年に理学療法士免許を取得。回復期、維持期、外来、デイケア、地域支援事業でのリハビリを経験。小児から老年期に至るまで幅広くリハビリに携わり、中でも脳血管疾患や神経難病の患者のサポートを精力的に実施。2013年にボバース認定基礎講習会を修了、2015年には認定理学療法士(脳卒中)及びNST専門療法士を取得。2024年11月より脳神経リハビリセンターに勤務。

私は「利用者様の想いをかたちにするリハビリ」を大切にしています。運動のプロフェッショナルとして根拠に基づき、利用者様とともに最善の結果に到達できるよう努力していきたいと思います。皆様との出会いを楽しみにしております。