【発症後10カ月】40代男性・R.T様・脳腫瘍・片麻痺の改善事例
上肢挙上(正面)
- 40代
- 男性

ご利用者様情報
- 年代
- 40代
- 性別
- 男性
- 疾患名
- 脳腫瘍
- 発症からの期間
- 10カ月
- 症状
- 右片麻痺
- ご利用期間・回数
- 4カ月/週1回/16回コース
- リハビリ目標
- パソコン操作ができるようになりたい
リハビリの記録
RECORDご利用までの経緯
約10か月前に脳腫瘍を発症され、手術にて腫瘍を摘出されました。
退院後は、週3-4回訪問リハビリでリハビリをされていました。
発症からの期間の関係で訪問リハビリの頻度が減少してしまうこともあり、
右上肢の更なる改善(復職に向けたパソコン操作など)を希望され、当施設をご利用されました。
体験時の状況
右上肢は肩屈曲90°程度で肘が曲がってきてしまい、全身にも力が入っている状態でした。
肘関節を伸ばす運動感覚が分かりにくく、非麻痺側や麻痺側肩に過剰に力が入ってしまっていました。
手指の屈伸や手のひらの回旋・上げ下げは可能なものの、完全に指を伸ばすことは困難であり、
日常生活の中での右上肢の使用頻度は少なくなっていました。
リハビリ内容
訪問でのリハビリを週3-4回・1時間/回実施していました。
右手のストレッチや肩・肘・手首・指を動かす練習を中心に練習していました。
自主トレとして、電気治療やワイピングなどの机上での上肢の運動を行っていました。
当施設では、まず肘をスムーズに伸ばすことができるよう、肩甲骨の運動を行い安定性向上を図りました。
側臥位や端座位にて肩甲骨を内下方へ動かす練習を行い、肩甲骨を安定させて麻痺側上肢が動かすせるようにしました。
少しずつ肘を伸ばす感覚が分かってきたところで、肘を伸ばす筋肉の位置を調整しながら、筋肉の収縮を反復して促しました。
前方にあるペットボトルにリーチする、把持したペットボトルを口元に運ぶ、介助箸を使用して食事動作の練習をするなど、
日常生活に沿った練習を行い、ご自宅での生活の中でも麻痺側上肢を使用して練習できるようにしました。
また、HALを使用し手関節や前腕の筋収縮を確認しながら運動を行うことで、筋肉を正しく収縮させて手を動かす経験を増やしていきました。
リハビリの結果
RESULT手のひらの回旋も、ゆっくりではありますが手のひらを下に向けることができるようになりました。
右手を力まず、楽に動かせるようになったことから、手関節・手指の筋緊張も落ち着いてきました。
また、介助箸での箸操作や歯磨きで口をゆすぐ際のコップの把持、マウスの操作などチャレンジできる動作が増え、
日常生活の中で右上肢を使用する頻度を増やすことができました。
肩甲骨の安定性の向上に向けた練習から始め、身体や物品へのリーチを通して楽に右手が動かせるように練習をしていきました。
肩の力が抜けると、肘や手を動かす感覚が次第に分かるようになり、日常生活の中で挑戦できる動作も増えていきました。
本人はもちろん、ご家族も積極的に自主トレに取り組んで下さり、リハビリ時間以外で課題の練習が行えたことも改善につながった要因であると考えます。
今後も目標の達成や更なる上肢機能の向上に向けて、精一杯サポートさせていただきます!
棚橋 美帆