改善事例

CASE

BRANCH
名古屋

【発症から9年】10代・脳性麻痺・歩行障害・両下肢運動麻痺の改善事例

10代
男性

ご利用者様情報

年代
10代
性別
男性
疾患名
脳性麻痺
発症からの期間
9年
症状
歩行障害・両下肢運動麻痺
ご利用期間・回数
2カ月・8回
リハビリ目標
友達と同じように歩けるようになりたい、杖2本での歩行ができるようになりたい

リハビリの記録

RECORD

ご利用までの経緯

現在は週に1回、近隣病院にてリハビリと訪問マッサージを受け、月に1回、他社様が運営する保険外リハビリ(自費リハビリ)施設にて、歩行支援ロボットを使用したリハビリに精力的に取組されていました。発症から9年経過しており、様々なリハビリをされていますが、症状改善は進んでいない状況です。
ご自宅近隣でリハビリロボットが使える施設を探していたところ「脳神経リハビリセンター名古屋」を知り、お問合せをいただきました。

体験時の状況

脳性麻痺の分類は アテトーゼ型で四肢に麻痺の症状(特に下肢の麻痺が強い)があり、姿勢の維持が難しく歩行時には特に動きがぎこちない状態でした。車いすや歩行器を使って生活されており、上半身の力は問題様子でしたが、上半身に頼りすぎてしまうことで、下半身に体重をかける機会が少なく、自分の体重を支える事が精一杯な様子でした。また、足の使い方(運び)が脱力している状態でスムーズにできていない状態でした。足に体重をかける機会が少なくなれば、使い方や筋力の発達に遅れが生じてしまい、今後も上半身や腰に負荷をかける生活を余儀なくされる事が考えられます。また、脳性麻痺は治すことはできず、障害は一生続くといわれています。活動範囲を広げ、自立性を高めるために目標である「友達と同じように歩けるようになりたい、杖2本での歩行ができるようになりたい」を実現していくために、リハビリプランとして期間3カ月、歩行能力獲得のリハビリを中心としてご提案しご契約いただきました。

リハビリ内容

脳性麻痺による基本的な障害は、運動障害と言われており、ベーシックですが治療の中心には運動療法を置きました。当センターで採用しているロボット機器を現在も他社施設にて利用していることから、HALによる運動療法のアプローチで改善を目指しました。
リハビリのポイントを「拘縮の予防」「筋緊張の正常化」「姿勢調整の獲得」「筋再教育(運動コントロール)」「協調運動の獲得」の5点と整理して、リハビリプランを組立てしました。運動療法では、運動機能を高めたり、姿勢を整えたりすることを目的にさまざまな種類の運動を行うことになりますが、「動かそうとしても動かない(動きずらい)」状態ですので、無理をさせない、口だけで指示しない、 介助して誘導しつつそれを徐々に減らしていき、ご本人だけで行動することを待つことを特に重視しました。直立歩行で歩く前のステップとして2本足で立つ必要があります。まず体幹とお尻の筋肉が安定するためのリハビリをしました。メニューとしては、体重をかけるきっかけを作るため、足関節のHALを使用して床を蹴り上げる感覚を掴むことを中心に行いました。その後、膝立ちでバランスを取りバランスボールでキャッチボールと、立位でバランスを取る練習を行いました。今後は杖を使ってバランスを取り、体重をかけて歩く事を目指しております。

  • リハビリ中の画像
  • リハビリ中の画像
  • リハビリ中の画像
  • リハビリ中の画像

リハビリの結果

RESULT
2本杖(ロフストランドクラッチ)を使用した歩行と言う事でしたが、初めは、杖の出し方、脚を出すタイミング一つ一つ確認しながら行いました。介助有での歩行でしたが諦めずに何度も挑戦する姿勢で練習に取り組んでいただきました。結果、一回の歩行練習で二人介助から一人介助での歩行が出来ました。

リハビリ前 立位:3.3秒保持
リハビリ後 立位:10.3秒保持

担当スタッフからのコメント

COMMENT
脳性麻痺(PVL)の運動麻痺は下肢優位の麻痺が特徴的で、今回の場合も足の力が入らない・力の入れ方が分からない事もあり上半身に頼ってしまう状況となってしまっているのではないかとまず仮説を立てました。足に体重をかける機会が少なくなれば、その分使い方や筋力の発達に遅れが生じてしまう。結果として上半身や腰に負荷をかける生活を余儀なくされる事が考えられる。この先何十年も生活して生きていくことを考えると関節の損傷や変形、痛みに繋がってしまうことが予測されます。また現在は車いすと歩行器を使用して生活を送られていますが、将来を考えると、外出や舗装されていない道などの動く範囲が制限されることも考えられます。その為にも杖を使用した歩行の獲得は重要であることをお伝えし、一生懸命リハビリに取り組んでいらっしゃいます。現在は、歩行器ではなく、杖を使用した歩行にチャレンジしています。今後は2本杖でバランスを取れるようにしていき、予防を踏まえた筋力トレーニングを行っていく予定です。目標である「友達と同じように歩けるようになりたい、杖2本での歩行ができるようになりたい」に向かって、一緒に挑戦していきましょう。

担当者の画像

熊谷 壮騎

ご利用者様データ 改善実感率89% 実際の施設利用者様によるアンケート結果をご覧いただけます