【発症後20年】50代男性|右脳腫瘍による左片麻痺が改善し、歩行の安定性が向上した事例
- 50代
- 男性
ご利用者様情報
- 年代
- 50代
- 性別
- 男性
- 疾患名
- 脳腫瘍術後
- 発症からの期間
- 約20年
- 症状
- 左片麻痺
- ご利用期間・回数
- 2ヶ月・8回
- リハビリ目標
- ふらつかずに歩く
バランス強化
リハビリの記録
RECORDご利用までの経緯
約20年前に脳腫瘍の摘出術を受けられ、その後はご自宅での生活やお仕事を続けてこられました。
長年にわたりご自身で身体を支えながら生活されていましたが、近年になって 歩行時のふらつきや疲労感が強くなる場面が増えてきたとのことでした。
もっと安定して歩けるようになりたいという思いから、改善の可能性を求めて当施設のリハビリ体験にお越しいただきました。
体験時の状況
初回体験では、屋外をお一人で歩いて当施設までお越しいただきました。
麻痺自体は軽度でしたが、左足の支持性の低下や、左手の細かな動作(巧緻動作)のしづらさが見られました。
また、目の動きにも左右差があり、左方向へ視線を動かしにくい状態が確認されました。
この影響もあり、左右へのふらつきが生じやすく、長距離を歩くと強い疲労感が出てしまう状況でした。
リハビリ内容
まずは、全身の動きの基盤となる姿勢の左右差を整えることから介入を始めました。身体の軸が整うことで、弱くなっている筋肉が働きやすくなり、過剰に力が入ってしまう部分も落ち着きやすくなります。
そのうえで、左足の支持性を高めるために、本来の動きが出やすくなるよう筋肉の働きを引き出すアプローチ を実施しました。
単に筋力を鍛えるのではなく、必要なタイミングで必要な筋が自然に働くよう、動きの質を整えながら進めています。
また、腹部や背面の筋力低下が姿勢の不安定さにつながっていたため、体幹の回旋や伸び縮みを引き出す練習 を行い、全身の協調性を高めました。体幹が安定すると、下肢の支持性や歩行の安定にも直結します。
左足の支持が十分に高まってきたことを確認してからは、より高いレベルの課題として 片足立ちなどのバランス練習にステップアップ。
身体の軸を保ちながら立つ・支える・踏ん張るといった動作を、安全に再獲得できるよう進めていきました。
リハビリの結果
RESULTその結果、長距離を歩いても 疲労感がほとんど出ない状態へと変化しました。
また、目の動きにも改善が見られ、これまで感じていた左方向への眼球運動の“つっかかり”が消失。視線移動がスムーズになったことで、歩行中のバランスにも良い影響が出ています。
さらに、全身の協調性が高まったことで、現在では駆け足やジャンプといった動きも安定して実施可能 となりました。
「動きの質」が整ったことで、日常生活だけでなく、活動の幅そのものが広がっています。








長年にわたりご自身で身体を支えながら生活されてきた分、「なんとか自分で頑張らないと」という思いが強く、その努力が時に動きの硬さにつながってしまう場面も見られました。
本来、お身体にはしっかりとしたポテンシャルがあり、動きの方向や力の入り方を少し整えるだけで、自然で安定した動きが引き出せる状態でした。
そこで、姿勢や体幹の働きを丁寧に整えながら、「無理なく動ける身体の使い方」を再獲得できるようアプローチを進めていきました。
その結果、歩行の安定性が高まり、疲れにくくなっただけでなく、視線の動きや全身の協調性も向上し、今では駆け足やジャンプといった動きまで安定して行えるようになりました。
これは、ご本人の継続した努力がつないだ素晴らしい成果だと感じています。
今後も、日常生活の中でより安心して動けるよう、
そして活動の幅がさらに広がるよう、全力でサポートさせていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
前川 裕樹