【発症後4ヵ月】40代男性・脳梗塞・複視/バランス障害
上方向への追視
- 40代
- 男性
ご利用者様情報
- 年代
- 40代
- 性別
- 男性
- 疾患名
- 脳梗塞
- 発症からの期間
- 4ヵ月
- 症状
- 複視(眼球運動障害)・バランス障害
- ご利用期間・回数
- 1ヵ月半・10回
- リハビリ目標
- 複視の改善、バランスの改善、復職
リハビリの記録
RECORDご利用までの経緯
脳梗塞を発症後、急性期病院にて保存加療されました。その後、自宅退院となりましたが、複視が残存しており復職・車の運転が困難な状況でした。複視の改善の目的で当施設をご利用頂きました。
体験時の状況
初期は特に左目の上方向への動きが困難な状態でした。これにより、ほぼ全ての範囲で複視が出現し、気分不快から日常生活では眼帯を使用しておりました。
歩行は可能でしたが、靴履きなど片足立ちなどの動作になると、左方向へ容易にバランスを崩す様子がみられました。
リハビリ内容
左体幹部の弱さに対して、徒手での促通(筋の働きを促し)を行いました。その上で体幹と協調して股関節の活動を促すような練習を実施しました。その際、眼球の運動も同時に引き出すような課題も取り入れました。
体幹の正中を獲得した上で、眼球に対しての介入を実施しました。苦手な上方向への動きに対し、反射を用いた促通や、追視・注視などを代償に注意して行い機能改善をはかりました。その上で両目でピントを合わせ、複視がでない範囲での運動を促しました。眼球の運動も筋の弱さに対して、強い筋肉で代償が生じるため、リハビリの順番や難易度調整を細かく設定して行いました。
リハビリの結果
RESULT右側も上半分では複視が改善を認めております。瞬時にピントを合わせることと、右下方向の複視の改善に対してリハビリを継続しております。
バランスも大幅に完全し、現在では片脚立ちは両側30秒以上可能となりました。
感覚や随意運動(手足を思った通りの動かせること)など保たれている要素を生かしつつ、体幹・股関節での支持性を高めました。徐々にダイナミックな動きにし、日常生活でも崩れない足の支持性獲得を目指しました。
目に関しては評価から特に左目の上方向の動きの機能低下を認めたため、機能の底上げを徹底的に行いました。自主練習もお伝えし、毎日継続して頂きました。その上で、リハビリにてピント合わせや速度変調や切り替えなど応用的に目を使う練習を実施しました。直接触れることのできない場所のため、丁寧に観察し代償が生じないよう反応を見ながらリハビリを行いました。これにより、複視の改善に繋がったと考えます。
まだ左目の筋肉の弱さと、右下方向の複視が残存しているため、引き続き複視の改善に対してリハビリを実施して参ります。
大野 真之介