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【再発率は高いの?】脳出血の危険因子と再発予防のための積極的対策

こんにちは!大阪府大阪市にある脳神経リハビリセンター大阪で作業療法士をしている前川です。作業療法士のキャリアは5年になります。

脳出血は一度発症すると、何の前触れもなく突然に再発する可能性があります。

再発率が高いとされるこの疾患に対し、事前の知識がなければ、適切な対応が遅れ、患者様の回復が困難になることも。

この記事では、脳出血の再発率、リスク要因、予防策を詳しく解説し、患者様やご家族様がいざという時に備えられるようにします。

記事を読むことで、万が一の再発時にも冷静かつ迅速に行動できる知識を身につけることができます。

脳出血とは?

脳出血とは?

脳出血は、脳内の血管が破裂し、血の塊を作り、脳を圧迫します。

それに巻き込まれた神経細胞が障害される病気です。

これにより、重篤な状況が発生することがあります。

脳出血は、脳梗塞・クモ膜下出血とともに、脳卒中に含まれる疾患のひとつです。

また脳出血は、脳卒中全体の約2割を占める疾患です。

脳卒中についての統計を見ていきましょう。

脳卒中は、1951年から約30年にわたって死亡の原因の第1位でした。

下記のグラフをご参照ください。

国内の主な死因疾患別死亡率(人口10万対)の年次推移
国内の主な死因疾患別死亡率(人口10万対)の年次推移
 【出典】「令和5年(2023年)人口動態統計(概数)」厚生労働省より筆者作成

現在では、その後の急性期治療の進歩により、「がん」「心疾患」に次いで第3位となっています。

ですが下記の通り、脳卒中の患者の全体の数はむしろ年々増加しています。


2020年時点では、国内の脳卒中患者は、約174万人となっています。

また脳卒中による死亡率が低下していることは、その後に後遺症を抱えて生活する方が増えているということでもあります。

介護が必要となった原因
40歳〜64歳の2号被保険者の方が、介護が必要となった原因でもっとも多い疾患は、脳卒中(56.4%)です。

脳卒中の56.4%は、次に多い糖尿病の13.2%や、認知症の6.5%、がんの5.1%を大きく上回っています。

脳出血が引き起こす症状

脳出血による症状は多岐にわたりますが、一般的なものとしては次の通りです。

  • 頭痛:突然の強い頭痛が特徴です。
  • 意識障害:意識が朦朧(もうろう)とすることがあります。
  • 運動機能障害:片方の身体・顔面が麻痺することがあります。

【改善事例あり!】脳卒中とは?どこよりもわかりやすく解説します!

脳出血の再発率について

脳出血の再発率について

脳出血の再発は患者様の健康に大きな影響を及ぼすため、その予防と対策はとても大切です。

この章では、再発率の統計データ、主要なリスク因子、および具体的な予防策について解説します。

再発率の統計データ

脳出血の最大のリスク因子は高血圧ですが、近年では血圧管理の精度が向上しています。

それでも再発率は他の疾患と比較すると高いと言われています。

日本での再発率は他の国と比較すると高く、初回発症後10年間の累積で55.6%も再発しています。

また、その多くが発症後1年以内に発生していますので、早期に再発防止策を行うことが大切です。

出展:Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama studyJ Hata 1, Y Tanizaki, Y Kiyohara, I Kato, M Kubo, K Tanaka, K Okubo, H Nakamura, Y Oishi, S Ibayashi, M Iida

再発を促進するリスク因子

再発を促進するリスク因子には、多くの要素が関与しています。

  • 高血圧: 脳の中の細い血管の壁をもろくし、その一部が膨らみいくつもの小さなコブ(微小動脈瘤)ができます。
  • 糖尿病:動脈硬化との関係が深く、血管がもろくなるため脳出血になりやすくなります。
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  • 高脂血症:血液中の脂質が原因で動脈硬化を引き起こし、血管がもろくなるため脳出血になりやすくなります。
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  • 高尿酸血症:尿酸値が高いと、酸化ストレスによって血管が傷つき、動脈硬化を進行させ、脳出血になりやすくなります。
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  • 喫煙: 血管を損傷し、再発リスクを高める可能性があります。
  • 過度のアルコール摂取: 血圧を不安定にし、リスクを増加させます。

これらのリスク因子に注意することで、再発を予防できる可能性は高まります。

脳出血の原因を徹底的に解説します【再発予防○○には気を付けて!】

再発予防のための具体策

再発予防のためには、日常生活における様々な改善が求められます。
ここでは医療的アプローチと生活習慣の改善策を紹介します。

  • 血圧の管理: 血圧が高ければ高いほど脳出血の再発リスクは増加します。

    特に早朝は血圧が上昇しやすく、厳密な血圧を管理する必要があります。

    具体的には降圧剤の内服、塩分摂取の抑制、緑黄色野菜や果実摂取によるカリウム摂取が推奨されます。

  • 健康的な食生活: コレステロール値が低すぎても高すぎても脳出血の再発の危険因子となります。

    コレステロール値が高いと動脈硬化が進展し、脆弱化した細い血管が破裂する可能性があります。

    コレステロール値が低ければ血管内皮細胞が損傷して血管が破綻する可能性が高まります。

    ですので、コレステロール値は正常範囲内でコントロールすることが再発予防に有効です。

  • 禁煙: 喫煙には動脈硬化を促進させ血圧を上昇させる作用があり、脳出血再発のリスク因子ですので控えることは再発予防に有効です。
  • 飲酒を控える: 飲酒は適量なら問題ありませんが、過度な飲酒は血圧を上昇させてしまうため控える方が無難です。

これらの対策を実施することで、脳出血の再発率を低減し、患者様の健康維持を支援できます。

脳卒中の原因と予防法を解説!健康な生活を送るための方法まとめ

年代別脳出血の再発対策

年代別脳出血の再発対策

脳出血の再発は、年代によって異なるリスクと対策が存在します。

この章では、中年期と高齢期の患者様それぞれに適した予防策を解説します。

40代・50代の対策

中年期は職業活動が最も活発な時期であり、生活習慣が脳出血のリスクを大きく左右します。

特に有効な予防策をご紹介します。

  • ストレス管理: 職場や家庭でのストレスは高血圧の大きな原因となります。

    趣味等でストレス発散や、リラクゼーション法にてリラックスすること等が推奨されます。

  • 定期的な健康診断: 隠れた問題を早期に発見し、適切な治療を受けることでリスクを低減します。
  • 適度な運動: 週に数回、心臓に負担がかからない範囲での運動を心がけ、ストレスの発散や体重管理を実施します。

これらの予防策を実行することで、中年期の脳出血のリスクを効果的に低減できます。

高齢者の再発対策

高齢期には、体の自然な老化が脳出血リスクを高めるため、特別な注意をする必要があります。

  • 高血圧の厳格な管理: 定期的に医師の診察を受け、処方された薬を適切に服用することが必須です。
  • 栄養バランスのとれた食事: 塩分と脂質の摂取を控えめにし、フルーツや野菜を多く取り入れることが大切です。
  • 家庭内の安全対策: 転倒防止のための家具の配置を見直し、滑りにくい床材を使用するなどの対策をします。

これらの対策により、高齢者の脳出血のリスクを低減し、より安全で健康的な日常生活を送ることができます。

脳出血後の生活

脳出血後の生活

脳出血を経験された患者様が日常生活へ戻るためには、生活管理とリハビリテーションが不可欠です。

この章では、日常生活で注意すべき点とリハビリテーション方法について、解説します。

日常生活で気を付けること

脳出血後の生活においては、以下の点に特に注意が必要です。

  • 安全な環境の整備: 家具の配置を見直し、転倒防止のための手すりを設置するなど、安全性を高める工夫が必要です。
  • 健康チェックの習慣: 血圧やコレステロール値を定期的にチェックし、異常があればすぐに医師の診断を受けます。
  • 適度な運動と栄養管理: 栄養バランスの取れた食事と、適度な運動が再発防止につながります。

これらの対策を行うことで、再発のリスクを低減し、より良い生活を送ることが可能になります。

リハビリテーション

脳出血後の症状改善にはリハビリテーションが欠かせません。

次のようなリハビリテーションがあります。

  • 理学療法:寝返る、起き上がる、座る、立つ、歩くといった基本動作の改善を目指します。
  • 作業療法:食事をする、服を着替えるといった、人間の営みに欠かせない日常生活動作(ADL)の改善を目指します。
  • 言語療法:言語障害によるコミュニケーション能力の改善や高次脳機能障害に対するリハビリを実施します。

    また、嚥下障害に対して咀嚼や飲み込みの改善、適切な食事形態の選択を行います。

これらのリハビリテーションを適切に組み合わせることで、患者様の生活の質を大幅に向上させることができます。

脳神経リハビリセンターで行っているリハビリの例をご紹介します。
40代男性・YO様・左脳出血・歩行の改善事例

脳出血を発症後、急性期病院・回復期病院の入退院を経て、自立支援施設へご入所されております。

現在は、施設内のリハビリと併用してさらなる目標「仕事復帰」を目指し当施設をご利用いただいています。

現在、見守り下で屋外歩行(杖・装具なし)が可能となってきており、装具なしの杖ありでの歩行も安定して実施できております。

上肢については手指の握りこみが減り、指の曲げ伸ばしや肘のコントロールが少しずつ可能となってきました。

 ↓↓↓詳しくは下記をご覧ください。
【発症後1年1カ月】40代男性・YO様・左脳出血・歩行の改善事例

まとめ

まとめ

ここまで、脳出血の再発を防ぐための対策を紹介しました。

再発率の統計から見たリスク、年代別の対策、そして病後の対応など、ここまでお伝えしたことを振り返ります。

  • 再発率の統計から、再発防止策の必要性をお伝えしました。
  • リスク因子に応じた対策が大切です。
  • 日常生活での注意点と効果的なリハビリテーションが再発防止に役立ちます。

ここでの情報が、患者様の再発リスクを低減する手助けとなれば幸いです。

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この記事を書いた人
前川 裕樹

前川 裕樹

作業療法士

2020年に作業療法士免許を取得。急性期・回復期・維持期・外来リハビリ等様々な分野でのリハビリを経験。主に脳血管疾患・整形外科疾患・神経難病の方のリハビリに携わる。            
私は「お客様のご希望を全力でサポートするリハビリ」を常に心掛けております。
お客様の立場になり考え、ご希望に沿って、適切なリハビリプログラムをご提案し、目標達成を目指します。精一杯のリハビリを実施し、全力でサポート致します。