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脳梗塞は最初の1週間が山?【早期対応の重要性とそのワケを解説!】
脳梗塞は発症から1週間が特に重要です。
なぜ1週間が山なのでしょうか。
この記事では、脳梗塞で起きる生理的変化と、初期治療の方法から、なぜ最初の1週間が大切なのかをご説明します。
また、発症から回復に至るまでの過程、緊急対応、治療方法、自分以外の方と協力することの大事さについても触れています。
脳梗塞とは?
脳梗塞は、脳出血・クモ膜下出血とともに、脳卒中に含まれる疾患のひとつです。
また脳梗塞は、脳卒中全体の74%を占め、脳卒中の中で最も割合の大きい疾患です。
脳卒中についての統計を見ていきましょう。
脳卒中は、1951年から約30年にわたって死亡の原因の第1位でした。
下記のグラフをご参照ください。
現在では、その後の急性期治療の進歩により、「がん」「心疾患」に次いで第3位となっています。
ですが下記の通り、脳卒中の患者の全体の数はむしろ年々増加しています。
2020年時点では、国内の脳卒中患者は、約174万人となっています。
また脳卒中による死亡率が低下していることは、その後に後遺症を抱えて生活する方が増えているということでもあります。
介護認定の原因について
40歳~64歳の2号被保険者の方が、介護が必要となった原因でもっとも多い疾患は、脳卒中(51.1%)です。
脳梗塞は発症から1週間が山
脳梗塞は、発生から1週間の対応が特に重要です。
この章では、初めの1週間で起こる生理的変化、科学的根拠、初期症状、そして緊急時の対応について詳しく解説します。
適切な理解と迅速な対応が、回復への道を大きく左右するため、この部分は特に大切になります。
脳梗塞発症時の生理的変化
脳梗塞を発症すると、脳の特定の部分が血流不足により酸素と栄養が供給されなくなります。
これにより、脳細胞は機能を停止し、最終的には細胞死に至ります。
この過程は非常に速やかに進行し、次のような生理的変化が起こります。
- まず血栓や塞栓が脳血管を閉塞し、影響を受ける脳領域への血流が急激に低下します。
- 次に脳組織の虚血が起こり、細胞がエネルギー不足に陥ります。
これにより、細胞内での代謝が妨げられ、有害な化学物質が蓄積します。
- 神経細胞の死と炎症反応が引き起こされ、周囲の脳組織にさらなるダメージを及ぼす可能性があります。
これらの変化は、患者様の身体に多くの障害をもたらすため、発症初期の対応が非常に重要です。
速やかな治療により、脳細胞の損傷を最小限に抑え、回復の可能性を高めることができます。
なぜ「一週間が山」なのか?科学的根拠
冒頭にもお話ししましたが、脳梗塞の治療において、発症後一週間の対応が患者様の回復に大きく影響します。
この節では、なぜこの時期が重要なのかを、科学的な背景からご説明します。
初期の炎症反応とその影響
脳梗塞発症直後、損傷した脳細胞から炎症反応が引き起こされます。
過剰な反応の影響
- 炎症物質の放出が健康な脳組織への二次的なダメージを引き起こします。
- この炎症は、発症から数時間後にピークに達し、数日間持続します。
治療のタイミング
急性期病院での炎症反応の管理と血流の回復の治療は、1週目に集中して行われます。
この時期に適切な治療がされる事で、患者様の予後が大きく改善されるます。
Point
- 血栓溶解療法は、発症後4.5時間以内が最も効果的といわれています。
- 発症後72時間以内に行われる血管再開通手術その後の予後に大きく影響します。
は、
神経保護の治療
発症後の早期に神経保護薬を使用することで、脳細胞の死亡を防ぎ、機能の保存をすることが出来ます。
これにより、その後発生する長期的な後遺症のリスクを減少させることができます。
- 抗酸化剤や抗炎症薬がこの期間に使用されます。
- 早期治療により、脳梗塞後の機能回復がしやすくなります。
脳梗塞の一般的な症状と初期反応
脳梗塞の初期症状は多岐にわたります。
代表的な症状を以下に何点か挙げます。
- 体の半身の運動麻痺や感覚障害
- 言語理解や発話の困難
- 急激な意識障害
緊急事態への対応はどう行動するべきか
脳梗塞の疑いがある場合の迅速な行動が求められます。
緊急時には次のような対応が必要です。
- すぐに救急車を呼ぶ
- 症状の観察と記録をする
- 安静を保ち、話しかけ続ける
脳梗塞発症後の一週間
脳梗塞発症後の最初の一週間は、患者様の予後にとって極めて重要です。
この章では、発症直後から一週間を通じての治療の流れと、その期間における主なポイントを解説します。
発症から24時間以内の対応
脳梗塞発症から24時間以内は、救急医療の迅速な対応が不可欠であり、患者様の生命を救うための重要な時間帯です。
- 症状が現れた直後には、すぐに救急車を呼び、患者様を最寄りの脳卒中治療センターへ搬送します。
- 到着後、医師はCTスキャンやMRIを用いて脳梗塞の場所と範囲を特定します。
- 血栓溶解療法などの早期治療が行われることが多く、これにより脳の損傷を最小限に抑えることができます。
この時間帯の適切な対応は、患者様の回復の可能性を大きく左右します。
この時間が重要な後遺症を避けるための第1歩となります。
48時間から72時間は観察と治療の調整
脳梗塞発症後の48時間から72時間は、患者様の状態が安定化するかどうかを見極めます。
状況を診ながら治療計画を調整する重要な期間になります。
- 医師は臨床的観察を行いながら神経学的な変化を観察し、、脳の画像診断を再評価していきます。
- 治療の調整には、血圧管理、抗凝固療法、そして場合によっては手術が行われることもあります。
一週間経過後の評価と予後
発症から一週間経過後には、患者様の初期回復の程度と予後の見通しを評価します。
この時期の評価は、今後のリハビリテーション計画や継続的な治療の方向性を決定するために重要です。
- 神経学的評価の実施
- 回復の進行度に基づいた予後の予測
- 継続的な治療や支援方針の策定
脳梗塞後の一週間で知っておくべきこと
脳梗塞発症後の一週間は、ご家族様や患者様にとって、今後の進む方向を考えるのに、とても重要な期間です。
ここでは、知っておくべき重要な情報は次の通りです。
- 緊急対応の準備と知識
- 医師や専門家との連携
- 患者様の心理的支援の方法
脳梗塞発症後の病院での治療
脳梗塞が発症した直後の病院での治療は、患者様の予後を大きく左右します。
入院期間の標準的な流れ
脳梗塞患者様の入院期間は病状により異なりますが、標準的な流れは次の通りです。
- 即時の医療介入と安定化措置
- 定期的な医療評価と治療計画の見直し
- 脳の機能回復を促進するための早期リハビリテーション
治療の選択肢とその効果
脳梗塞の治療は、症状の重さと発症からの時間によって異なりますが、主に次のような方法があります。
- 血栓溶解療法:発症から数時間以内に実施されることが多い治療法です。
血栓を溶かす薬剤を投与することにより、血流を速やかに回復させることができ、患者様の回復を大幅に促進します。
- 内服薬による治療:血圧やコレステロールの管理、血液をサラサラにする薬など、再発防止と症状管理を目的とした薬剤を使用します。
- 外科手術:血管内手術やカテーテルを使用した血栓除去などがあります。
これらの手術は特定の状況下でのみ適用され、重篤な症例に対する選択肢となります。
これらの治療方法は、患者様の状態や症状の正確な分析が前提となって行われるため、最大の効果を得るためには専門医による診断が必要です。
適切な治療を受けることは、脳梗塞の重大な後遺症を防ぎ、生活の質を保つ助けになります。
ご家族様が準備すべきこと
患者様をサポートする上で、ご家族様が知っておくべき事項は多岐にわたります。
ご家族様の助けが必要になることは次の通りです。
- 患者様の日常生活の支援と介護準備
- 心理的な支援と患者様とのコミュニケーションの維持
- 病院との連携と情報収集
ご家族様自身の負担が大きいときなどは公的なサービスを利用することも可能です。
脳梗塞後の回復とリハビリテーション
脳梗塞後の回復期間におけるすごし方は非常に重要で、特に適切なリハビリテーションが将来的に生活の質を大きく向上させる可能性につながります。
本章では、発症後早期でのリハビリテーションの開始時期、回復プロセス、退院後の自宅でのリハビリ方法、そしてご家族様が出来るの支援の方法についてご説明します。
一週間後のリハビリ開始と目標
脳梗塞発症後一週間は、その後の回復に大きくかかわってくるためリハビリテーションを開始するために重要な時期です。
目標とするリハビリの内容の一例を以下に示します。
- 基本的な運動機能の回復
- 日常生活動作(ADL)の自立支援
- 言語や認知機能の改善
入院中と在宅生活時のリハビリ目標
脳梗塞後の回復において目標の設定が必要になります。
短期間と長期間のそれぞれの期間で達成しうる目標と治療方針が設定されます。
- 病院の中で行うリハビリの回復目標は、基本的な身体機能の回復と自宅での生活への適応です。
- 治療には理学療法や言語療法、作業療法などがあり、患者様の身体的能力や口腔機能、認知的機能などの向上を目指します。
- 退院後の自宅での生活では、病院でのスタッフのサポートがないため、複雑な動作などが必要になります。
直ぐに達成することが難しいことも多くなるため、長期的なリハビリテーション目標の設定やと患者様が社会復帰するためのご家族の協力やサービスの利用が重視されます。
- 必要に応じて連携し、患者様が自立して日常生活を送れるよう支援することが重要です。
自宅でできるリハビリテーション方法
自宅で行えるリハビリテーションは、患者様が日常環境で自立に近づくためには重要です。
以下に一例をご紹介いたします。
- 運動療法: 簡単なストレッチや筋力トレーニング
- 認知療法: 簡単な記憶や計算トレーニング
- 言語療法: 日常的な会話練習や読み書き
運動療法運動療法に限らずメニューの選定や回数、負荷などは人によって違います。
専門家が作ったメニューでも、経過を観察すると身体状況が変わり本人にとって逆効果になってしまうことがあります。
リハビリ専門職にこまめに経過を見てもらいながらリハビリを続けるとこを強くお勧めします。
脳梗塞からの回復は一人ひとり異なりますが、適切な内容かつ積極的なリハビリテーションが回復の鍵となります。
ここでは、実践的なリハビリの進め方とその効果について解説します。
発症後すぐにリハビリを始めることで、神経の回復が促進される可能性が高くなるといわれています。
一般的に、脳卒中の後遺症が回復するゴールデンタイムは発症から3ヶ月間と言われています。
この期間にどれだけリハビリテーションを行えるかでその後の回復度合いも変わってきます。
もちろんその期間を過ぎた方でもリハビリを行うことで機能を回復させることは可能です。
発症から時間がたっても当施設でリハビリを行って回復につながった方々もいらっしゃいます。
↓↓↓「発症後時間が経過しても症状が改善した方」についての詳しい情報は、こちらをご覧ください。
次にリハビリを行う上で大事なことについて何点かお話しします。
- 毎日の継続
定期的な運動が回復を早めます。
病院やリハビリセンターでの専門的な指導のもと、適切な運動を行うことが大事です。
またリハビリで学んだことをもとに、日常生活での簡単な活動に繋げていくことが大事です。
セラピストと行うことだけがリハビリではありません。
リハビリがない日でも自分で固くなった部分をストレッチするなど、出来ることをコツコツと続けましょう。
- 個別のリハビリ計画内容の理解
患者様一人ひとりの状態に合わせて、理学療法士や作業療法士が個別のリハビリ計画を立てます。
これにより、機能回復を最大限に引き出すことができますが、内容によっては分かりづらいものもたくさんあります。
目的を理解して行うリハビリはとても効果が高いです。
分からないことがあれば理解できるまでセラピストに質問しましょう。
- 一人で抱え込まないこと
リハビリはつらく根気が必要な内容も多々あります。
自分一人で抱え込まずにいろいろな方に相談しましょう。
まずは一番近くにいる家族に協力してもらってはどうでしょうか?
可能であればご家族がリハビリの要領を理解し、協力してもらうことでリハビリの効果的は上がります。
他にも、本人様のモチベーション維持を助けるために日常生活での小さな成功を讃えることやリハビリテーションの日程管理や通院支援などのサポートも大事になってきます。お一人で暮らしている方でも公的なサービスを受ければリハビリの効果は上がり、生活への負担も減らすことが出来ます。
いろいろな方と力を合わせ、いい結果につながるようにしましょう。
まとめ
この記事を通じて、脳梗塞の症状やその緊急時の対応、発症後の一週間の流れ、病院での治療からリハビリテーションまでご説明しました。
脳梗塞は突然訪れるかもしれませんが、適切な知識と準備があれば、その影響を最小限に抑えることができます。
大切なのは、早期発見と迅速な対応、そして根気強いリハビリテーションの継続です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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この記事を書いた人
細葉 隆
理学療法士
2006年に理学療法士免許を取得。
一般病院・訪問リハビリ・介護老人保健施設・通所リハビリと全てのステージで脳卒中を中心としたリハビリを経験。
2024年、公的保険で回復できなかったお客様の改善をしたいという想いから、脳神経リハビリセンター仙台に勤務。
私はこれまでに様々なお客様とそのご家族とリハビリを通して関わってきました。お客様の夢や目標に向かってチームとして、そしてセラピストとして携わってきました。私のモットーはお客様や家族の方と同じ方向を向き、寄り添いながら一緒に進んでいくことです。
脳神経リハビリセンターでは、充分な時間と最新の機材が整っており、リハビリを必要としている方の夢を叶える場所であると確信しています。
1回1回のリハビリを通じて、小さな変化や気付きに喜びを分かち合い、目標が達成に向けて一緒に頑張ってみませんか。
皆様との出会いを楽しみにしています。