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パーキンソン病の進行度と症状【日常生活への影響は?】
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前回はパーキンソン病の原因になる食べ物について解説しましたが、今回は、パーキンソン病の進行度によって症状がどう変化するか、
身体や日常生活にどう影響を及ぼすかをお伝えします。
また、症状にあわせた対応策もお伝えします。
「令和2年(2020)患者調査」(33ページをご参照下さい)で、28万9000人と報告されています。
これは「平成29年(2017)患者調査」から12万7000人も増加しています。
また年齢別の統計(政府統計資料)を見ると、65歳以上が26万7000人で全体の92.4%を占めており、
高齢の患者様が圧倒的に多いことが分かります。
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この記事の内容が、患者様やご家族の不安の軽減に繋がれば幸いです。
前回の記事を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→パーキンソン病の原因になる食べ物6選【○○には気を付けてください】←
パーキンソン病の症状
![パーキンソン病の症状](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/2-62.jpg)
![パーキンソン病の症状](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/2-62.jpg)
それでは、パーキンソン病の患者様に生じる恐れのある主な症状をご紹介します。
パーキンソン病は、脳内のドーパミンを生成する神経細胞の減少により引き起こされる神経変性疾患です。
主な症状
・手足の震え(振戦)
特に休息時に顕著で、最もよく知られた症状です。
約75%の患者様に出現すると言われています。
自分で意識してふるえているのではなく、何かのきっかけで無意識に筋肉の収縮と弛緩を繰り返す状態です。
細かいふるえで、大きな揺れの痙攣(けいれん)とは異なります。
・筋肉のこわばり(筋強剛)
筋肉の緊張が増し、動作が困難になります。
筋肉の緊張が亢進して固くなっている状態を指し、特にパーキンソン病の筋固縮は、自分で気付きにくいものの、
他者が動かしたときに筋肉の伸び縮みに強い抵抗を感じます。
・動作の遅さ(動作緩慢)
歩行や立ち上がりを含め、あらゆる動作が遅くなり、時間がかかる症状です。
動くことそのものも少なくなり、常に椅子にじっと座っているなど日常生活に支障をきたすこともあります。
顔の筋肉の動きが悪くなり、無表情になる「仮面様顔貌」や、ボソボソとしゃべるような発声障害、
流延(よだれ)なども典型的な症状です。
よだれは飲み込む機能が低下していることの表れで、誤嚥性肺炎を起こす可能性もあるので注意が必要です。
・バランス能力の低下(姿勢保持障害)
身体のバランスがとりにくくなる症状で、転倒しやすくなります。
初期のうちはあまり出ず、病状が進むと現れます。
急な外力に対して姿勢を立て直すことができなくなる、歩行時にどんどん足が出て止まらない(突進現象)などが起きます。
このため、立つ、歩く、座るなどの動作が困難になります。
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次に、パーキンソン病の進行度によって変化する症状と、患者様の生活に及ぼす影響をお伝えします。
進行度と日常生活への影響
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![進行度と日常生活への影響](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/3-63.jpg)
パーキンソン病はどのように進行するのでしょうか。
ここでは、進行度によって出やすい一般的な症状と日常生活への影響をお伝えしていきます。
これらを理解することは、パーキンソン病への対応に役立ちます。
・初期
軽度の手足の震えや筋肉のこわばりが見られます。
日常生活の多くの活動には、ほとんど影響がありませんが、繊細な手作業が若干困難になります。
・中期
動作の遅さやバランスの問題がよく見られるようになります。
歩行や自立した日常生活に支障が出始めます。
・進行期
重度の運動障害やバランスの大幅な低下が見られるようになります。
また非運動症状(認知障害、睡眠障害、情緒不安定)が増加します。
日常生活の大部分でサポートが必要になります。
パーキンソン病の進行と付き合っていくために
![パーキンソン病の進行と付き合っていくために](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/4-63.jpg)
![パーキンソン病の進行と付き合っていくために](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/4-63.jpg)
進行度による日常への変化をイメージされることができましたでしょうか。
ここからは、パーキンソン病の患者様が、日常生活を良好に過ごされるための対策をお伝えします。
病気の進行度によって必要なサポートや対策が異なりますので、段階に合わせてご紹介していきます。
・初期
・定期的な軽度から中度の運動を継続し、筋力と柔軟性の維持を図る。
・バランスの良い食事で全体的な体力を維持する。
・趣味や社会活動を通じて精神的な健康を保つ。
・中期
・日常の動作を容易にするための住環境の調整を行う(手すりの設置、滑りにくい床材への変更など)。
・定期的な受診と必要に応じた薬物療法の調整を行う。
・家族や介護職とのコミュニケーションを強化する。
・進行期
・身の回りの世話や移動をサポートする介護サービスを利用する。
・複雑な動作や活動をシンプルにすることで、日々のストレスを軽減する。
・快適で安全な居住環境の整備と、必要に応じた医療機器を導入する。
パーキンソン病の症状管理
![パーキンソン病の症状管理](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/5-63.jpg)
![パーキンソン病の症状管理](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/5-63.jpg)
ここからは、パーキンソン病の症状の管理について、項目ごとに整理してご紹介します。
・薬物療法
・ドーパミン補充療法やその他の薬剤を用いて、主な症状を管理。
定期的な受診と薬の効果・副作用の把握が重要。
・身体活動と運動
・軽度から中度の運動で筋肉の柔軟性と運動機能を維持する。
特にバランスや協調性を高める運動が効果的と言われています。
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壁に手を当てて、片足を上げる・踵を上げる・つま先を上げる練習
テーブルに手を置いて、大きく足を一歩踏み出す練習
両足を肩幅よりやや広く開いて、身体を左右に捻じる練習
※これらの運動をするときには、転倒に気を付けてください。
パーキンソン症候群の方の具体的な改善例について、こちらをご覧ください。
→【【発症後3年】90代女性・パーキンソン症候群の改善事例 – 脳卒中・脳梗塞・脳出血の後遺症改善】←
・栄養管理
・バランスの取れた食事で身体の健康を維持する。
症状や薬剤の影響に応じた食事内容の調整が必要。
・ストレスと睡眠の管理
・ストレス軽減のための趣味活動。
・良質な睡眠の確保と睡眠障害への対処。
・日常生活の支援
日常生活を容易にするための福祉用具の活用。
家族や介護専門職の支援とコミュニケーション。
まとめ
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パーキンソン病と向き合うことは、決して容易なことではありませんが、
この記事は、病気の進行に応じた適切な対処方法を知ることや、
日常生活の質を、維持・向上させることのきっかけになるかと思います。
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この記事を書いた人
![百瀬 義一](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/momose-e1699864346405.jpg)
![百瀬 義一](https://noureha-nagoya.jp/wp-content/uploads/momose-e1699864346405.jpg)
百瀬 義一
作業療法士
2007年に作業療法士免許を取得。回復期・生活期・介護施設・在宅と全てのステージでのリハビリを経験。
これまで脳血管疾患・運動器疾患・廃用疾患・難病など、多くの患者様のリハビリテーションに携わる。
2023年12月から脳神経リハビリセンター吉祥寺に勤務。
私は「少しでも利用者様のご希望を達成する事ができるリハビリ」を心がけています。自費領域でのリハビリテーションは病院でのリハビリとは違い、利用者様のご希望がはっきりとしていて、より切実である事が多いと感じています。リハビリ介入により少しでも利用者様のご希望や目標を達成することができるよう、精一杯のリハビリを行なってまいります。