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パーキンソン病の検査は何をする?【理由・費用・時間・当日の流れ】

こんにちは!宮城県仙台市にある脳神経リハビリセンター仙台で理学療法士をしている細葉です。理学療法士のキャリアは18年になります。

パーキンソン病にはどのような検査が必要でしょうか?

早期の検査と診断のタイミングを逃してしまうと、治療開始がその分遅くなります。

パーキンソン病では、治療開始が遅れると、その後の日常生活に大きな影響を与えることがあります。

本記事では、最新の検査と診断技術から日常生活での工夫まで、パーキンソン病と向き合うための具体的な情報をお伝えします。

この記事が、患者様やご家族様のより良い日常生活を送るための第一歩となれば幸いです。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病とは?

この章では、パーキンソン病の基本的な理解を深めていただけます。

概要から具体的な症状まで、患者様やご家族様が把握しておきたい情報をお伝えします。

パーキンソン病の基本的な説明

パーキンソン病とは、神経細胞の障害により発症する進行性の疾患です。

主に、脳内のドーパミンを生産する細胞が減少することが原因で起こります。

パーキンソン病は、ご高齢の方に多く見られますが、若年者に発症する場合もあります。

症状の進行はゆっくりのため、初期段階では見過ごされがちです。

患者数

国内のパーキンソン症候群の患者数

国内で継続的にパーキンソン症候群の治療を受けている患者数は、厚生労働省が2022年6月に公表した

「令和2年(2020)患者調査」(33ページをご参照下さい)で、28万9000人と報告されています。

これは「平成29年(2017)患者調査」から112万7000人も増加しています。
患者調査

また年齢別の統計(政府統計資料)を見ると、65歳以上が26万7000人で全体の92.4%を占めており、

高齢の方が圧倒的に多いことが分かります。

パーキンソン病の原因と進行

パーキンソン病の主な原因は、神経細胞の変性と死によるドーパミンの減少です。

この病気の進行は個人差が大きいですが、一般的には次の三段階に分けられます。

  • 初期:軽度の震えや動作の遅さが見られます。

    (手足の震え、立ち上がり動作や歩く速さが遅くなるなど)

  • 中期:筋肉のこわばりが進み、歩くことやバランスを取ることが困難になります。

    (体の筋肉が硬くなり、前かがみ姿勢になる。転びやすくなる。)

  • 後期:日常生活が自立して行えなくなる場合があります。

     (一人で起き上がる、立つ、歩くことが困難になる。)

一般的な症状と識別ポイント

前述の通り、パーキンソン病の一般的な症状には、以下のものが含まれます。

  • 手足の震え
  • 筋肉のこわばり
  • 動作の遅さ
  • バランスの取りにくさ

これらの症状が見られた場合、お早めに専門の医師による診断を受けることを、強くおすすめします。

早期発見と適切な治療により、症状の進行を遅らせることが可能です。

パーキンソン病の検査

パーキンソン病の検査

この章では、パーキンソン病の診断に利用される主な検査方法について解説します。

主な診断検査とその意義

パーキンソン病の診断にはいくつかの検査が用いられます。

これらの検査は、症状の原因を特定し、適切な治療法を決定するために不可欠です。

  • 神経学的評価:専門の医師が患者様の身体的動作や筋肉の反応をチェックします。
  •  震え、筋肉の硬直、動作の遅れなどの症状を観察します。

  • DATスキャン:ドーパミン輸送体の機能を画像化し、神経細胞の損傷具合を評価します。
  •  この検査は、パーキンソン病の診断を確定するための重要な手段とされています。

  • 遺伝子検査:遺伝的要素が疑われる場合、遺伝子検査を行うことで、将来的な発症リスクを評価します。

MRI、DATスキャン、RI検査の比較

これらの画像診断技術は、それぞれ目的が異なる検査で、診断において重要な役割を果たします。

  • MRI(磁気共鳴画像法):脳の詳細な画像を撮影します。脳腫瘍や脳卒中など他の可能性を除外するために使用されます。
  •  パーキンソン病以外の原因による症状を見分けるのに用いられます。

  • DATスキャン:ドーパミン輸送体の検査で、特にパーキンソン病の診断に有効です。
  •  この検査により、他の症状が似ている病気と区別することができます。

  • RI検査(放射性同位元素検査):脳の代謝活動を検査し、異常がある部分を特定します。
  •  この検査は、疾患部位の特定進行度を把握するのに有効です。

↓↓↓MRI検査の詳細については、こちらの記事もご覧ください。
パーキンソン病でMRI検査を受ける理由【検査当日の注意点と事前準備】

検査にかかわるお役立ち情報

検査にかかわるお役立ち情報

この章では、パーキンソン病の検査に関する具体的な情報をお伝えします。

検査の理解を深め、事前の準備などにお役立ていただければ幸いです。

検査の流れと患者様への影響

パーキンソン病の診断過程において、様々な検査が行われます。

これらの検査は患者様にとって大きな精神的、身体的負担になることがあります。

  • 事前準備:検査前には、食事制限や服用中止が必要な薬があるか確認してください。
  • 検査中の対応:検査は一般的に画像検査が主ですが、長時間にわたる場合があります。

    リラックスできる方法(楽な姿勢を取れるようにするなど)を事前に検討しておくことが推奨されています。

  • 検査後のケア:一部の検査では、体調不良を感じることがあります。

    飲み物を準備しておきましょう。

    また、検査前日はしっかりと睡眠をとるなど事前に体調を整えておくことも大切です。

検査にかかる時間と費用

検査の種類によって必要な時間と費用は大きく異なります。

  • 平均的な時間:基本的な血液検査は数時間で結果が出ますが、画像診断は数週間を要することがあります。
  • だいたいの費用:保険適用の範囲と自費負担の割合に応じて、数千円から数万円の費用が発生する可能性があります。

    具体的な費用は事前に医療機関に確認してください。

保険適用と自費の違い

保険適用の有無は、検査の種類によって異なります。

  • 保険適用の場合:多くの基本的な検査は保険適用となりますが、最新の特定検査や遺伝子検査などは自費になることがあります。
  • 自費の場合:高額になる可能性があるため、事前に医療機関に費用の確認をすることをおすすめします。

予約方法と準備事項

検査の予約方法は医療機関によって異なります。

予約時には、必要な情報を事前に準備することが重要です。

  • 予約方法:電話またはオンラインでの予約が一般的です。

    診察券や健康保険証を手元に準備しておくとスムーズです。

  • 準備事項:予約時には、既往症(これまでにかかった病気)や現在服用中の薬について、詳しく伝える必要があります。

    また、検査当日はリラックスできる服装で来院することをお勧めします。

パーキンソン病検査後のケア

パーキンソン病検査後のケア

診断後の医療

パーキンソン病の診断後、患者様には継続的な治療が必要です。

  • 定期的な診察:症状の進行を観察し、必要に応じて治療計画を調整します。
  • 薬物療法:ドーパミン補充療法など、症状を緩和するための薬が処方されます。

    副作用が気になる場合は、医師と相談して調整してください。

↓↓↓パーキンソン病の診断についての詳しい情報は、こちらの記事をご覧下さい。
早く知っておきたいパーキンソン病の診断基準【最新傾向に変化あり】

リハビリテーションとセルフケア

リハビリテーションは、パーキンソン病患者様の機能的自立を支援し、生活の質を向上させる目的で行われます。

  • 理学療法:筋力を向上させ、体の柔軟性を保つための運動が行われます。
  • 作業療法:日常生活の動作を効率よく行えるようにするための訓練が行われます。

    セルフケアを学ぶことで、自宅での動作・生活が行いやすくなります。

脳神経リハビリセンターで行なっている運動療法をいくつかご紹介します。
パーキンソン病の方は前かがみの姿勢になりやすく、手足が出にくくなる傾向にあります。

姿勢画像

手足を出しやすくするリハビリをご紹介いたします。

1.歩行練習(リズムよく歩く、Curara)

歩行練習(リズムよく歩く、Curara)

2.視覚代償を用いた動作練習(目で見てから動く練習)

視覚代償を用いた動作練習(目で見てから動く練習)

患者様とご家族様へのサポート

患者様だけでなく、ご家族様も支援を受けることも大切です。

  • 情報提供と学習の機会:病気の理解を深めることで、症状への適切な対処ができるようになります。
  • 支援団体:同じ経験を共有することで、精神的な負担を軽減できます。

    地域社会の支援サービスを活用することで、患者様とご家族様のストレス軽減に効果があります。

患者様の日常生活を支える支援

患者様の日常生活を支える支援

この章では、パーキンソン病患者様の日常生活を支援するための実用的なアドバイスをいたします。

患者様とご家族様が日々直面する課題に対処し、より良い生活を送るヒントとなれば幸いです。

パーキンソン病患者様の日常生活での工夫

  • 自宅の安全性の向上:滑りにくいマットの使用や手すりの設置を行います。

    自宅環境にひと工夫加えることで、転倒のリスクを減少させます。

  • スケジュール管理:日常の活動を計画的に行うことで、無理なく生活できるようになります。

    (例:8時にトイレ、12時に昼食、19時にお風呂など)

    時間管理のアプリを利用することも有効です。

  • インターネットの活用:離れている家族や友人と気軽にコミュニケーションを取ることで、

    孤立感を軽減でき、精神的な安定に繋がります。

ご家族様ができる具体的なこと

患者様のケアを効果的に支援するために、ご家族様が行える具体的な対策を提案します。

  • 情報収集と共有:病状や治療法に関する正確な情報を共有して、家族全員で患者様を支える体制をつくります。
  • 休息の確保:介護する方自身も適切な休息を取ることが必要です。

    長期的な介護となるため、疲労の蓄積を防ぎ、無理なく続けることが大切です。

  • サポートネットワークの利用:地域の支援団体やオンラインフォーラムを活用することで、有益な情報や心の支えを得られます。

地域の支援サービス

  • 訪問介護サービス:専門の介護スタッフがご自宅に訪問し、日常生活の支援を受けられます。
  • 交通サービス:通院が苦にならないようにするため、専用の交通サービスを利用できます。
  • レクリエーションプログラム:患者様が社会参加を続け、閉じこもりや孤立感を感じないよう、活動やイベントが行われています。

精神的な健康を支えるサービス

  • 心理カウンセリング:心理カウンセラーから、患者様や家族の精神的なケアを受けられます。
  • リラクゼーション:瞑想やヨガなど、体全体の調子を整え、ストレスを軽減する方法を学べます。
  • 教育セミナー:病気に対する理解を深めるためのセミナーやワークショップが各地で開催されています。

まとめ

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

パーキンソン病についての理解を深め、病気の検査、診断、治療、そして日常生活の支援について詳しく知ることができたと思います。

読んでくださった皆様が、より前向きに、そして積極的に病気と向き合い、日々を豊かに過ごす一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人
髙橋 克弥

髙橋 克弥

理学療法士

2015年に理学療法士免許を取得。一般病院に勤務。
回復期病棟、一般・療養病棟、地域包括ケア病棟、外来リハビリといった様々なステージでのリハビリ業務を経験。学会参加や学会発表も経験。脳血管疾患、運動器疾患など多くの患者様やその御家族に携わる。
2022年からクリニックに勤務。
国際マッケンジー法認定セラピスト取得。再生医療立ち上げメンバーとして携わる。
2024年から脳神経リハビリセンター仙台に勤務。

私は「お客様が主役」をモットーに皆様の希望に添えるリハビリを提供します。
自分の限界が利用者様の限界になるため、自分の限界を決めずに諦めず、試行錯誤しながら一人一人にあったリハビリプログラムを考えています。
脳神経リハビリセンター仙台に興味を持っていただいたお客様には後遺症をあきらめないで欲しいです。リハビリの可能性を知ってほしいと思います。当社のような自費リハビリ施設は、まだ東北地方ではほとんど知られていません。初回の無料体験プログラムを利用いただき、自分がどこまでよくなるか、可能性を感じてほしいと思います。
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