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こんにちは!名古屋市緑区にある脳神経リハビリセンター名古屋の大野です!
「脳卒中は遺伝する」ということを一度は聞いたことがあると思います。しかし一体どの程度遺伝し、それを防ぐことはできるのでしょうか?
今回はみなさんのそんな疑問にお答えしていきます!ぜひ最後まで読んで脳卒中を予防していきましょう!
脳卒中は遺伝するのか?
結論、脳卒中は遺伝の要素もあります!しかし全ての要因が遺伝するというわけではありません。ここではどんな要因が遺伝するのか、そしてそのリスクや影響について解説していきます!
遺伝する要因とは?
脳卒中の原因としては加齢や生活習慣などがあげられますが、遺伝的要因も関与していることがあきらかになっています。脳卒中によくみられる遺伝的要因には、下記の生活習慣病があります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 高コレステロール
また、脳卒中の家族歴(親戚・家族に脳卒中になった人がいる)がある場合は、遺伝的な要因が大きくかかわっている可能性があります。病院で勤務していたとき、医師は必ず家族歴は必ず確認していました。そして実際に家族で脳卒中になった人がいる患者さんも多くみえました。
家族歴が脳卒中発症のリスクに与える影響
家族に脳卒中のひとがいる場合、じぶん自身も脳卒中を発症する可能性がたかくなるとされています。実際に、日本人の脳卒中の発症率は家族歴で差があることが報告されています。そのため、家族歴がある場合は定期的な健康診断をうけ、早期発見・治療をこころがけることが重要です。
遺伝があることを知っておくことで「自分もリスクがあるかも」と早めに対策を立てられると、前向きに考えることも大切だと思います!
遺伝的素因が脳卒中の発症に与える影響
脳卒中には遺伝的素因が関与していることが研究によって示されています。
脳卒中の人のなかには、脳卒中リスクのたかい遺伝子をもっていることが多いと報告されています。これらの遺伝子は、以下の病気・症状と関連しています。
- 血栓形成
- 動脈硬化
- 高血圧
また、脳卒中における遺伝的素因は、以下の環境要因と相互作用してリスクを決定します。
- 年齢
- 性別
- 飲酒
- 喫煙
- 睡眠状態
- ストレス
- 運動不足
例えば、遺伝的素因がつよい人が喫煙や運動不足などの生活習慣病を持っている場合、脳卒中リスクがより高くなると考えられます。
実際、脳卒中になった方のほとんどから、もともと「血圧が高かった」「お酒をたくさん飲んでいた」などのお話をきくことがありました。
脳卒中の予防に遺伝情報を活用!
脳卒中の発症リスクは、「遺伝的素因」と「環境要因」の相互作用によってきまるため、遺伝情報を活用したリスク予測や予防にとりくむことが重要です。近年では遺伝子検査によって、個人の脳卒中リスクを予測することが可能になりました。
また、脳卒中の予防には、生活習慣の改善が大切です。遺伝的素因によって高いリスクがある人でも、禁煙や運動、塩分や脂肪分の摂取をおさえるなどの生活習慣の改善によって、脳卒中リスクをへらすことができます。
遺伝的素因と生活習慣の影響
脳卒中のリスクには、「遺伝的素因」と「環境要因」の両方が影響をあたえることがわかったと思います!ここでは、「遺伝的素因」と「環境要因(その中でも生活習慣)」が脳卒中の発症にどのような影響をあたえるのか、そしてそれを改善する方法について解説します!
遺伝的素因と生活習慣のどちらが影響大?
脳卒中の発症には、遺伝的素因と生活習慣の両方が関与していますが、その影響の大小は個人によってちがってきます。しかし、最新の研究によると、生活習慣による影響が大きいとされています。米国心臓協会によると、「脳卒中の約80%は、高血圧、高コレステロール、喫煙、肥満などの生活習慣病によって引き起こされている」といわれています。
生活習慣も育った環境に影響をうけることがあるため、これもある意味で家族の影響をうける要素なのかもません。例えば濃い味が好きな家庭で育った人が、濃い味が好きになり、自然と塩分摂取量なども増えて生活習慣病などのリスクを高めるといったことも考えられます!。
脳卒中発症リスクを高める生活習慣
脳卒中発症リスクを高める生活習慣としては、以下のようなものがあげられます。
- 喫煙
- 高血圧
- 運動不足
- ストレス
- 食生活の乱れ
- 過剰なアルコール摂取
これらの要因は、血管を収縮させたり、血栓をつくったり、血管をかたくしたりすることにより、脳卒中の発症をひきおこす可能性があります。
遺伝的素因を把握して生活習慣を改善する方法
遺伝的素因が脳卒中発症にあたえる影響は大きいとされていますが、それでも生活習慣の改善によってリスクをさげることができます。具体的には、以下のような方法があります。
- 禁煙
- 適度な運動
- 食生活の改善
禁煙
タバコに含まれる有害物質が血管を収縮させ、血圧をあげることがあります。そのため、禁煙は脳卒中予防にとってとても重要です。
適度な運動
運動は血圧をととのえたり、血液中の脂質をさげるなど、脳卒中予防に効果的です。毎日30分以上の運動をつづけることがのぞましいとされています。
毎日30分は難しくても、万歩計で歩数を意識することからはじめることもおすすめです!
普段の歩数を確認して、普段の歩数+1000歩など小さい目標からはじめてみましょう!
食生活の改善
脳卒中発症リスクをたかめる食品としては、おもに以下の3つがあります。
- 高塩分
- 高脂肪
- 高糖質
逆に、魚介類や野菜、果物など、健康的な食生活を維持することが大切です。
食生活が脳卒中発症リスクに与える影響
食生活は脳卒中の発症に大きな影響をあたえます。具体的には、以下のような食品が脳卒中発症リスクをたかめるとされています。
高塩分の食品
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こすことがあり、脳卒中のリスクを高めます。毎日の食事で摂取する塩分量を控えることが大切です。
高脂肪の食品
高脂肪の食品は血中コレステロール値を上昇させ、血管を詰まらせることがあります。血管が詰まると、脳卒中を引き起こすことがあります。
高糖質の食品
高糖質の食品は、糖尿病を引き起こす原因となります。糖尿病は脳卒中を引き起こすリスクが高い疾患の1つです。
生活習慣病と脳卒中に関してはコチラの記事でくわしく解説しています!
脳卒中と生活習慣病の関わりとは?
遺伝検査と脳卒中の予防
脳卒中は予防が重要であり、遺伝検査を行うことで、自身が脳卒中のリスクをかかえているかどうかを知ることができます。ここでは、遺伝検査と脳卒中の予防についてくわしく解説していきます。
遺伝検査とは?
遺伝検査とは、人間がもつ遺伝情報であるDNAをしらべることで、その人のもつ疾患や病気のリスクをしることができる検査です。遺伝検査は、おもに血液や唾液を採取して検査をおこないます。遺伝的素因による疾患や病気のリスクを知ることができるため、予防や早期発見につながるとされています。
遺伝子検査はわたしもぜひやってみたいです・・・!
遺伝検査で判明したリスクをどう予防するか
遺伝検査で判明したリスクを予防するためには、生活習慣の改善が重要です。
例えば、高血圧・高コレステロールなどは、遺伝的素因によって発症する可能性がたかい疾患ですが、適切な食事や運動、禁煙などの生活習慣改善によって予防することができます。
また、遺伝的素因によって発症する可能性がたかい疾患には、定期的な検査や医療機関での受診が必要です。遺伝検査の結果をふまえた上で、適切な生活習慣や受診をおこなうことで、疾患や病気のリスクをへらすことができます。
遺伝検査のメリットとデメリット
メリット
- 個人に適した予防策を考えることができる
- 遺伝的な疾患やリスクを早期に発見することができる
- 家族に遺伝的リスクがある場合、家族全員が予防に取り組むことができる
デメリット
- 精度に限界がある
- 個人的なプライバシーの問題がある
- 検査結果がストレスを与えることがある
遺伝子検査の受け方
遺伝子検査を受けるには、主に以下の方法があります。
- 民間企業
- 医療機関
民間企業
民間のサービスの場合、自分の口腔内からサンプルを採取し、それを専用の封筒に入れて送付することで検査が行われます。
医療機関
医療機関でうける遺伝子検査は、遺伝カウンセリングや遺伝病検査としておこなわれること多く、専門家によるアドバイスをうけられることがメリットの一つです。ただし、医療機関での検査は費用がたかいことが多く、保険が適用される場合でも自己負担が必要なことがあります。
遺伝子検査には、リスクの把握や予防に役立つ情報が得られる一方で、検査結果がストレスや不安をひきおこす可能性もあります。遺伝子検査をうける前には、検査の目的やメリット・デメリットを理解し、じぶん自身が検査をうけることで得られる情報をどう活用するかを考えることが大切です。また、検査結果にもとづく予防・治療は、専門家との相談が必要とされます。
脳卒中とストレスの関係についてはコチラの記事でくわしく解説しています!
ストレスは脳卒中の原因になる
遺伝的要因を把握して脳卒中のリスクを減らす
遺伝子検査をうけることで、脳卒中のリスクを事前に知ることができます。そして、そのリスクをへらすためにできることもあります。ここでは、遺伝子検査のメリット・デメリットや受けかたについても解説していきます!
遺伝的素因を把握するメリット
脳卒中は遺伝的要素があるため、遺伝子検査を行うことで、そのリスクを把握することができます。これにより、遺伝子変異によるリスクがたかい場合は、早くからの脳卒中予防にとりくむことができます。また、家族内に脳卒中の発症者が多い場合は、遺伝的な要素がつよく関係している可能性がたかいため、家族全員で遺伝子検査をうけることがすすめられます。
脳卒中リスクを減らすにできること
脳卒中を予防するためには、生活習慣の改善が重要です。具体的には、下記の項目が挙げられます。
- 禁煙
- 適度な飲酒
- 適切な運動
- バランスのとれた食事
また、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防・治療することも脳卒中のリスクを減らす上で重要です。脳リハでは食事など予防に関する情報発信も行っていますので、ぜひインスタもご覧ください!
脳神経リハビリセンター のInstagram
健康的な食生活と運動が脳卒中予防に効果的な理由
健康的な食生活と運動は、脳卒中予防に非常に効果的です。
食生活については、下記の物を積極的に積極的に摂ることが大切です。
- 魚
- 野菜
- 果物
これにより、中性脂肪やコレステロールをさげ、血管の老化をふせぐことができます。運動については、有酸素運動が効果的であり、血液循環をうながし、高血圧や糖尿病などのリスクをへらすことができます。
血圧と脳卒中に関してはこちらの記事をぜひお読みください!正しい血圧の管理について解説しています!
脳卒中と血圧の関係|コントロールして予防する方法
遺伝的素因を考慮した脳卒中予防の取り組み
遺伝的素因を考慮した脳卒中予防のとりくみについては、遺伝子検査をとおして個人の遺伝情報を知り、リスクを把握することが必要です。現在、遺伝子検査を行う民間の企業も存在します。これらのサービスを利用することで、個人の遺伝情報から脳卒中にかかりやすい傾向がわかり、生活習慣や治療法のアドバイスをうけることができます。遺伝子検査の精度や、情報をあつかう際の倫理的な問題などもありますが、今後の技術の進化によってより正確な情報が得られるようになることが期待されています。
まとめ
遺伝子検査で遺伝的素因を把握することで、脳卒中の発症リスクを減らすことができます。
脳卒中のリスクは「遺伝」と「環境」の要因があり、「環境」の方は、健康的な食生活と運動などでリスクを下げることができます。遺伝的素因を知り、予防に活かすことはとても有効です。
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この記事を書いた人
大野 真之介
理学療法士 / 認定理学療法士(脳卒中)
2016年に理学療法士免許を取得。同年より愛知県内の大学病院で勤務し、回復期・急性期・外来のリハビリを経験。急性期ではSCU(脳卒中集中治療室)の専任理学療法士としても勤務。
これまで主に脳血管疾患・脊髄損傷・神経難病の方のリハビリに携わる。2020年に日本理学療法士協会の認定資格である認定理学療法士(脳卒中)を取得。2022年11月から脳神経リハビリセンター名古屋に勤務。
私は常に「一緒に進めるリハビリ」を心がけています。療法士がリハビリをするのではなく、お客様にも“動き方”や“変化”を知ってもらいながら、運動を通して目標達成を目指しています。目標に向けて一緒に挑戦していきましょう。全力でサポートします。