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【迷ったら受診】放置しないで対処が吉!脳梗塞のめまいはこう見抜く

こんにちは!宮城県仙台市にある脳神経リハビリセンター仙台で理学療法士をしている髙橋です。理学療法士のキャリアは9年になります。

「めまいがするけれど、脳梗塞によるものかもしれない…」とご不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

脳梗塞によるめまいを、自己判断で受診を遅らせると、重症化や後遺症を招く恐れがあります。

この記事では、脳梗塞によるめまいの見極め方から再発予防、日常生活でのリハビリ方法まで分かりやすく解説します。

不安を解消して安全な生活を取り戻す一助となれば、幸いです。

脳梗塞とは?

脳梗塞とは?
脳梗塞は、脳出血・クモ膜下出血とともに、脳卒中に含まれる疾患のひとつです。

脳梗塞は、血管が詰まり脳細胞が酸素不足で機能しなくなる深刻な病気です。

原因として、主に血管内壁が硬くなる“動脈硬化”が挙げられます。

  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病
  • 不整脈や心房細動などの心疾患
  • 喫煙や過度な飲酒などの習慣

これらを日頃から適正に保ち、発症のリスクを抑えることが大切です。

数字から見た脳梗塞

脳梗塞は、脳卒中全体の約7割を占め、脳卒中の中で最も割合の大きい疾患です。

脳卒中についての統計を見ていきましょう。

脳卒中は、昭和25年から約30年にわたって死亡の原因の第1位でした。

下記のグラフをご参照ください。

国内の主な死因疾患別死亡率(人口10万対)の年次推移
国内の主な死因疾患別死亡率(人口10万対)の年次推移
 【出典】「令和5年(2023年)人口動態統計(概数)」厚生労働省より筆者作成

現在では、その後の急性期治療の進歩により、「がん」「心疾患」に次いで第3位となっています。

ですが下記の通り、脳卒中の患者の全体の数はむしろ年々増加しています。


2020年時点では、国内の脳卒中患者は、約174万人となっています。

また脳卒中による死亡率が低下していることは、その後に後遺症を抱えて生活する方が増えているということでもあります。

介護認定の原因について

要介護度別にみた介護が必要になった主な原因の割合
40歳〜64歳の2号被保険者の方が、介護が必要となった原因でもっとも多い疾患は、脳卒中(51.1%)です。

脳卒中の51.1%は、次に多い関節疾患の9%、脊髄損傷の5%、心疾患・パーキンソン病・糖尿病の3%を大きく上回っています。

脳梗塞によるめまいとは?

脳梗塞によるめまいとは?

この章では、脳梗塞が原因となって発生するめまいの種類と特徴について詳しく説明します。

脳梗塞によるめまいは、その発生原因と症状の理解が非常に重要です。

脳からくるめまいの特徴

脳梗塞や脳出血は、中枢神経系に影響を及ぼし、めまいを引き起こすことがあります。

これらは中枢性めまいの代表的な原因であり、以下のような症状が見られます。

  • 回転性めまい:周囲が回っている感じがする。
  • ふらつき:立っているのが困難になる場合がある。
  • 意識障害・しびれ:脳への血流不足により、意識がもうろうとしたり、体の一部にしびれを感じることがある。

さらに、耳石(じせき)や三半規管に関連した末梢性めまいとの違いを理解することも重要です。

末梢性めまいは、耳の内部構造に問題が生じることで発生し、振り向くなどの急な頭の動きによって引き起こされることが多いです。

脳梗塞とめまいの関係

脳梗塞によるめまいは、特に脳の特定の部位が影響を受けることで顕著に表れます。

主に以下が関連しています。

  • 小脳:バランス調整の中枢であるため、ここが損傷を受けると立ちくらみやふらふらするなどの不安定感が生じやすいです。
  • 脳幹:生命維持に関わる多くの機能を司っており、ここが損傷を受けると、めまいの他にも多くの神経症状が現れることがあります。
  • 椎骨脳底動脈循環不全:椎骨脳底動脈は脳の奥にある血管で小脳や脳幹へ血液を送っています。

    この血管の循環が悪くなると回転性めまいや視界のぼやけが生じやすいです。

めまい以外にも、頭痛や吐き気、運動障害などが伴う場合もあります。

これらの症状が複合的に現れている場合は更に、脳梗塞の可能性が高まります。

めまいの種類と脳梗塞の可能性

めまいにはいくつかのタイプがあり、それぞれ脳梗塞の兆候である可能性があります。

  • 回転性めまい:周囲が回っている感じがする
  • 非回転性めまい:ふわふわする感じやふらつき
  • 浮動性めまい:水中にいるかのような不安定感

立ちくらみとの簡単な見分け方として、動作の変化でめまいが起きるかどうかがポイントです。

また、症状の持続時間や発生頻度が脳梗塞であるかどうかの重要な手がかりになります。

脳梗塞によるめまいの症状とメカニズム

脳梗塞によるめまいの症状とメカニズム

この章では、脳梗塞が引き起こすめまいの具体的な症状と、それに至る生体メカニズムについて説明します。

特に、小脳や脳幹などの重要部位がどのように関与しているかに焦点を当て、症状の理解を深めます。

小脳や脳幹が損傷された場合の特徴

小脳と脳幹は、身体のバランス感覚や運動調整に不可欠な役割を担っています。

これらの部位が脳梗塞により損傷を受けると、次のような特徴的な症状が現れます。

  • 小脳が影響を受けると、体のバランスを保つ能力が低下し、微細な運動調整が困難になります。
  • 脳幹は呼吸などの生命維持に関わる基本的な機能を制御しており、損傷すると言語障害や片麻痺など重篤な症状が現れることがあります。
  • これらの損傷により、患者様は強いめまいを感じ、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

平衡感覚が乱れるメカニズムとしては、血流が滞ることで起こる脳内の神経伝達物質の不均衡や神経回路の損傷が挙げられます。

脳の機能が正常に働かないため、体の位置を認識しにくくなり、めまいが発生しやすくなります。

めまいに伴いやすい合併症状

脳梗塞によるめまいは、他の神経症状を伴うことが一般的です。

これらの症状には、以下のようなものがあります。

  • 言葉が不明瞭になる(ろれつが回らない)
  • 片側の体に力が入らない、感覚が鈍る(片麻痺、しびれ)
  • 激しい頭痛、吐き気、嘔吐

これらの合併症は、脳梗塞の治療を受ける際に特に注意が必要です。

症状が複合的に出た場合は、すぐに医療機関での診断が必要です。

症状の早期発見と治療開始の早さが患者様の予後に大きく影響します。

脳梗塞に対する治療とリハビリテーション

脳梗塞に対する治療とリハビリテーション

この章では、脳梗塞に対する治療法とリハビリテーションの重要性について説明します。

効果的な治療と適切なリハビリテーションが、患者様の回復と生活の質の向上にどのように寄与するかを解説します。

急性期の治療と薬物療法

脳梗塞後の初期治療には、以下のものが挙げられます。

  • 血栓溶解療法(t-PA治療):発症後4.5時間以内に適用できる治療法です。

    血栓を溶かし、血流を回復させます。

  • 抗血小板薬:再発防止に効果的で、血液の凝固を防ぎます。
  • 合併症の管理:高血圧や高脂血症などのリスク因子を管理します。

これらの治療は、症状の悪化を防ぎ、機能回復を促進するために重要です。

めまいの感覚を軽減するための点滴や薬物治療も併用されることがあります。

リハビリテーションの重要性

脳梗塞は患者様の身体的に深刻な影響を及ぼす可能性があり、効果的なリハビリテーションは回復過程で極めて重要です。

神経機能の回復のメカニズムはまだ解明されていないことも多いのですが、早期にリハビリテーションを開始することは、機能回復に重要な要因の一つと言われています。

また、リハビリテーションは身体機能の回復だけでなく、心理的・社会的な回復も意味しています。

その人がもともと行っていた日常生活をスムーズにおくれるようになることも重要とされています。

リハビリテーションの具体的なメリットやその裏付けについて解説していきます。

  • 神経可塑性の促進

    脳の可塑性とは、経験や学習によって脳が変化し、適応する能力のことです。

    リハビリテーションは、脳の神経可塑性、つまり損傷後の脳が新たな神経経路を形成することなどを利用して、機能の再建を促進することが可能と言われています。

    積極的なリハビリテーションは、損傷した脳領域の周辺での新たな神経経路の形成を助け、失われた機能の一部を回復させる可能性があります。

    しかし、リハビリテーションに一貫性がなければ、その新しい神経接続は十分な繋がりを持てません。

    リハビリテーションは、「反復性」「一貫性」が大切です。

  • 機能的回復の最大化

    リハビリテーションプログラムは、患者様が失われた運動能力や言語能力を最大限に回復させることを目指します。

    リハビリテーションとしては、理学療法、作業療法、言語療法が必要に応じて実施されますが、患者様一人ひとりに合わせたプログラムであることが大切です。

  • 日常生活への再適応

    リハビリテーションは患者様が社会に再適応し、自立した生活を送るためのサポートも行います。

これらの介入は、脳梗塞患者様の生活の質を大幅に改善するために重要です。

リハビリテーションの早期開始は、特に重要で、機能的回復の可能性を大きく向上させるといわれています。

・・・ですが、脳神経リハビリセンターでは

発症から期間が空いてしまい、機能の維持を目標とする時期に入った方の機能改善が行えた実績があります。

是非、諦めずにリハビリに取り組んでみてください。

↓↓↓脳梗塞のリハビリについての詳しい記事は、こちらをご覧ください。
早期治療が大切な脳梗塞【リハビリを諦めていませんか?まだ大丈夫】

転倒リスクを下げるための具体策

脳梗塞後においては、転倒リスクの低減も重要です。

以下のような対策が有効です。

  • 介護用品の活用:手すりや歩行器を設置し、安全な環境を作ります。
  • 住環境のバリアフリー化:障害物を取り除き、足元の暗さを照明で改善します。
  • 立ち上がりや移動時の注意:慎重な動作で怪我のリスクを低減します。

再発予防とご家族様のサポート

再発予防とご家族様のサポート

この章では、脳梗塞が再発しないようにするための予防策と、その過程でご家族ができる支援について詳しく説明します。

生活習慣の改善から始まり、家族によるサポートの具体的な方法をお伝えします。

生活習慣の見直しでめまいと再発を防ぐ

健康な生活習慣は脳梗塞の再発を防ぐ鍵です。

以下のポイントに注目してください。

  • 血圧管理:定期的に血圧を測定し、必要に応じて医師の指導のもとで薬を調整します。
  • 禁煙:タバコは血管を傷つけ、脳梗塞のリスクを高めるため、禁煙は必須です。
  • 食事の改善:塩分を控え、野菜や果物を多く取り入れる健康的な食事を心がけます。
  • 適度な運動:日常的に軽い運動を取り入れることで、全身的な血流が改善されます。

ストレス管理と質の良い睡眠も、心身の健康を保つために非常に重要です。

定期的な通院と検査を通じて、体の状態を常にチェックしましょう。

↓↓↓脳梗塞の予防のための生活習慣については、こちらの記事をご覧ください。
脳梗塞予防にはどんな生活習慣が必要?効果的な改善方法を解説

ご家族様ができるサポートと心構え

患者様が安全に日常生活を送れるよう、ご家族にできる支援をご紹介します。

  • 安全確保:特に浴室や階段などの危険が伴う場所での安全を確保します。

    一例として滑り止めマットや照明器具の設置、足元や動線に物を置かないなどの環境設定があります。

  • 積極的なコミュニケーション:めまいが発生した際の対応やかかりつけ医の連絡先など確認し、緊急時に備えましょう。
  • 心理的サポート:不安を和らげられるよう話し相手になったり、前向きな気持ちを保てるよう励ましの声がけをしましょう。

外部支援サービス・相談先の活用

家族だけでなく、外部の支援も利用しましょう。

代表例として以下のサービスがあります。

  • 介護保険制度:必要に応じて介護サービスを低予算で利用することができます。
  • ケアマネジャーとの相談:専門的なアドバイスを受け、適切なサポート体制を組み立てます。
  • 自費リハビリ施設:より専門的なリハビリを受けることが可能です。
  • 地域包括支援センター:地域の資源を活用し、日常生活のサポートを受けることができます。

まとめ

まとめ

今回の記事では、脳梗塞によるめまいの基礎知識から治療・リハビリテーション、再発予防策までお伝えしました。

脳梗塞が疑われるめまいは、自己判断を避けて早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることがとても大切です。

また、リハビリテーションの早期開始は神経可塑性(かそせい)を高め、機能回復の可能性を大きく広げます。

もし発症から時間が経っていても、継続的なリハビリで症状が改善するケースもあるため、決して諦めないでください

ご家族様のサポートも含めた多方面からの働きかけが、患者様の回復と生活の質の向上をさらに後押しします。

この記事が、脳梗塞によるめまいへの理解を深め、安心して前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人
髙橋 克弥

髙橋 克弥

理学療法士

2015年に理学療法士免許を取得。一般病院に勤務。
回復期病棟、一般・療養病棟、地域包括ケア病棟、外来リハビリといった様々なステージでのリハビリ業務を経験。学会参加や学会発表も経験。脳血管疾患、運動器疾患など多くの患者様やその御家族に携わる。
2022年からクリニックに勤務。
国際マッケンジー法認定セラピスト取得。再生医療立ち上げメンバーとして携わる。
2024年から脳神経リハビリセンター仙台に勤務。

私は「お客様が主役」をモットーに皆様の希望に添えるリハビリを提供します。
自分の限界が利用者様の限界になるため、自分の限界を決めずに諦めず、試行錯誤しながら一人一人にあったリハビリプログラムを考えています。
脳神経リハビリセンター仙台に興味を持っていただいたお客様には後遺症をあきらめないで欲しいです。リハビリの可能性を知ってほしいと思います。当社のような自費リハビリ施設は、まだ東北地方ではほとんど知られていません。初回の無料体験プログラムを利用いただき、自分がどこまでよくなるか、可能性を感じてほしいと思います。
目標達成に向かって、共に進んで行きましょう。