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パーキンソン病認知症とは【アルツハイマーとの違い】
パーキンソン病認知症は神経変性疾患ですが、症状や進行の面で、
同じ神経変性疾患のアルツハイマー病と混同されることが多い疾患です。
パーキンソン病認知症状が見過ごされると、適切な対応が遅れ、患者様の生活の質が著しく低下する恐れがあります。
二つの病気の違いを正しく理解しておくと、病気の進行に伴う日常生活への影響を軽減することができます。
この記事では、パーキンソン病認知症とアルツハイマー病の違いについて詳しく解説し、症状、原因、対処方法をお伝えします。
国内のパーキンソン病の患者様の数
国内で継続的にパーキンソン病の治療を受けている患者様の数は、厚生労働省が2022年6月に公表した
「令和2年(2020)患者調査」(33ページをご参照下さい)で、28万9000人と報告されています。
これは「平成29年(2017)患者調査」から12万7000人も増加しています。
また年齢別の統計(政府統計資料)を見ると、65歳以上が26万7000人で全体の92.4%を占めており、
高齢の患者様が圧倒的に多いことが分かります。
パーキンソン病認知症とは
パーキンソン病認知症は、パーキンソン病の患者様の病気が進行するにつれて現れる恐れのある認知障害です。
身体の運動機能の障害だけでなく、認知機能にも大きな影響を受けます。
患者様は、記憶の喪失や混乱、日常の判断力の低下、そして集中力や注意力の低下といった認知機能の障害に直面することになります。
例えば、家庭内での簡単な作業が難しくなる、または買い物や薬の管理が複雑に感じられるようになることがあります。
これらの変化は、日々の習慣や社会的な交流にも影響を及ぼすため、患者様の精神的健康が損なわれることがあり、
ご家族の生活にも関わってきます。
社会的な活動への参加が困難になったり、人とのコミュニケーションが難しくなったりすることで、
孤立感やうつ症状が生じることも少なくありません。
パーキンソン病認知症に対する理解を進め、適切な対策をすることが、患者様とご家族の生活の質を保つためには大切です。
パーキンソン病の日常生活への影響について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
パーキンソン病とアルツハイマー型認知症の違い
パーキンソン病とアルツハイマー型認知症は、共に高齢者に多く見られる神経変性疾患ですが、それぞれに特有の発症メカニズム、
症状、進行の仕方があります。
発症メカニズム
パーキンソン病の主な原因は、脳内で生成されるドーパミンの減少です。
ドーパミンは運動制御に重要な役割を担っているため、その減少は運動障害を引き起こします。
一方、アルツハイマー型認知症の原因は、脳内のアミロイドβプラークの蓄積と、それに伴う神経の変性です。
これらの変化が神経細胞の機能を妨げ、認知障害を引き起こします。
主な症状
パーキンソン病は初期には手の震えや筋肉の固さ、動作の遅さなどの運動障害が見られます。
認知症状は病気の進行とともに現れ、記憶力や判断力、集中力の低下が起こります。
対照的に、アルツハイマー病では早い段階で記憶障害が目立ち、
次第に言語能力の低下や判断力の低下、時間・場所がわからなくなるといった症状が見られます。
進行の仕方
パーキンソン病認知症の認知症状は徐々に進行していきます。
これに対し、アルツハイマー病は比較的早く進行し、数年のうちに日常生活を営むことが困難になることが多いと言われています。
パーキンソン病認知症の症状
短期記憶障害が現れます。
新しいことを覚えたり、最近の出来事を思い出すのが難しくなります。
これはアルツハイマー型認知症の初期段階の症状と似ていますが、
パーキンソン病認知症では運動障害の方が先行すると言われています。
・注意力と集中力の低下
継続的に集中できなくなり、複数の作業を同時にこなすことが難しくなります。
アルツハイマー型認知症の患者様も同様の症状が出ることがありますが、パーキンソン病認知症では、
より早く出現する傾向があると言われています。
・判断力の低下
日常的な状況判断や、簡単な決断をすることが難しくなります。
アルツハイマー型認知症と比較して、判断力の低下が、より早く現れる傾向があると言われています。
・言語能力の変化
会話の流れを追うのが難しくなり、言葉が出てきにくくなります。
アルツハイマー型認知症でも現れる症状ですが、パーキンソン病では、より進行してから現れると言われています。
・精神症状
不安やうつ症状、幻覚や妄想の可能性があります。
アルツハイマー型認知症にも見られる症状ですが、パーキンソン病では運動機能と精神機能の双方が影響を受けるため
神経科、精神科、心理学の専門家による総合的な評価が推奨され、治療を複雑にします。
・社会的孤立
他者との交流への関心の低下や社会活動への参加が困難になることがあります。
アルツハイマー型認知症でも同様の傾向が見られますが、パーキンソン病の場合、運動障害からの外出控えなどが重なります。
パーキンソン病認知症の原因
患者様やご家族が病気について深く理解するのにお役立ていただければ幸いです。
ドーパミン生成細胞の減少が認知障害を引き起こします。
・レビー小体の蓄積
認知機能の低下や精神症状に関与すると言われています。
・神経伝達物質の不均衡
ドーパミン以外の神経伝達物質の変化からも影響を受けます。
・脳の構造的変化
病気の進行による脳構造の変化が認知機能に影響を及ぼします。
・健康の問題
心血管疾患や代謝異常など他の健康問題が症状を悪化させる可能性があります。
パーキンソン病認知症への7つの対策
・薬物療法
症状の緩和を目的とした薬の使用。
・認知機能強化トレーニング
記憶力や判断力を鍛えるトレーニング。
・生活習慣の改善
健康的な食事、十分な休息、適度な運動など。
・社会的サポート
居住地域での社会資源の活用。
・環境の調整
安全で暮らしやすい生活環境を整える。
・家族との協力
家族がサポートに積極的に関わる。
・専門家による介入
医師や理学療法士などの専門家による定期的なケア。
・有酸素運動(負荷量は個人によって違います)
・筋肉や関節の柔軟性を維持する運動
・座位や立位でバランスをとる運動
・歩行姿勢などの改善
・生活環境に対する提案
ここでご紹介した対策により、患者様の日々の生活の質が保たれ、ご家族の負担も軽減されることを願っております。
パーキンソン病に影響のある食べ物について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→【パーキンソン病の原因になる食べ物6選【○○には気を付けてください】】←
まとめ
最後までこの記事を読んでいただき、本当に有難うございます。
パーキンソン病認知症につて、アルツハイマー病との違いや、症状の特徴、対策についてお伝えできたと思います。
この記事が、患者様やご家族の日々に少しでもお役立ていただければ嬉しいです。
苦しい時、不安な時でも、正しい知識が、一歩を踏み出す勇気に変わることをお祈りしております。
患者様一人ひとりの生活が豊かになるためのきっかけとなるよう、今後もお役立ていただける記事を作っていきます。
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この記事を書いた人
百瀬 義一
作業療法士
2007年に作業療法士免許を取得。回復期・生活期・介護施設・在宅と全てのステージでのリハビリを経験。
これまで脳血管疾患・運動器疾患・廃用疾患・難病など、多くの患者様のリハビリテーションに携わる。
2023年12月から脳神経リハビリセンター吉祥寺に勤務。
私は「少しでも利用者様のご希望を達成する事ができるリハビリ」を心がけています。自費領域でのリハビリテーションは病院でのリハビリとは違い、利用者様のご希望がはっきりとしていて、より切実である事が多いと感じています。リハビリ介入により少しでも利用者様のご希望や目標を達成することができるよう、精一杯のリハビリを行なってまいります。