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若年性パーキンソン病とは?【今からできる対処方法!】

こんにちは!大阪市にある脳神経リハビリセンター大阪の前川です。

若年性パーキンソン病に不安を抱えている方へ。

若年性パーキンソン病は、40歳未満で発症するとされ、その治療や日常への影響が大きな課題です。

そして、適切に対処しないと、社会的・職業的損失が増え、生活の質が大幅に低下する恐れがあります。

本記事では、症状の進行とそれに対応する治療法適切な日常の対処法を詳しく解説します。

患者様やそのご家族の安心につながり、より良い日常を送るための具体的な方法をお伝えできればと思います。

パーキンソン病の日常生活への影響を最小限に抑え、穏やかな暮らしを送るためにお役立ていただければ幸いです。

若年性パーキンソン病とは何か?

若年性パーキンソン病とは何か?

この章では、若年性パーキンソン病(YOPD)について、定義や症状、成人期以降のパーキンソン病との違いまでを詳しく解説します。

患者様とご家族様が若年性パーキンソン病について深く理解し、適切な対応を行えるよう支援します

若年性パーキンソン病の定義

若年性パーキンソン病(YOPD)は、40歳未満で診断されるパーキンソン病の一形態です。

通常、パーキンソン病は60歳以上の高齢者に多く見られる疾患ですが、若年性パーキンソン病は、若年層に発症するケースを指します。

この病気は脳内のドーパミンを生成する神経細胞が徐々に失われることにより発生します。

ドーパミンは主に運動の調節を司るため、その不足は身体のさまざまな運動障害を引き起こします。

若年性パーキンソン病は、発症年齢が若いため、長期にわたる疾患の管理が必要とされ、

そのための支援体制や治療計画が特に大切です。

一般的な症状とその特徴

若年性パーキンソン病の主な症状には以下のようなものがあります。

・手足の震え

・筋肉のこわばり

・動作の遅さ

・バランスの維持が困難になる

これらの症状は、病気が進行するにつれて徐々に悪化しますが、早期発見と適切な治療により、症状の進行を遅らせることができると言われています。

若年性と成人期以降のパーキンソン病の違い

若年性パーキンソン病成人期以降のパーキンソン病はいくつかの点で異なります。

主な違いは以下の通りです。

・発症年齢

若年性は40歳未満、成人期はそれ以外ですが、60歳以上の発症が多いです。

・症状の進行速度

若年性の方が、成人期よりも進行がゆっくりとされています。

・治療の反応

若年性の方がドーパミン代替療法により良い反応を示すことがあります。

これらの違いを理解することで、各年齢層に最適な治療計画を立てることが可能になります。

パーキンソン病の進行度と症状【日常生活への影響は?】

患者数

国内のパーキンソン症候群の患者数

国内で継続的にパーキンソン症候群の治療を受けている患者数は、厚生労働省が2022年6月に公表した

「令和2年(2020)患者調査」(33ページをご参照下さい)で、28万9000人と報告されています。

これは「平成29年(2017)患者調査」から12万7000人も増加しています。

また年齢別の統計(政府統計資料)を見ると、65歳以上が26万7000人で全体の92.4%を占めており、

高齢の方が圧倒的に多いことが分かります。

若年性パーキンソン病は、通常、40歳未満の個人に発症すると定義されていますが、最も一般的な発症年齢は30代中盤です。

若年での発症は、成人期以降に発症するパーキンソン病と比べて珍しく、全パーキンソン病患者の10%程度と推定されています。

若年性パーキンソン病の原因とリスク要因

若年性パーキンソン病の原因とリスク要因

この章では、若年性パーキンソン病の原因を遺伝的要因環境的要因、そして患者様の生活習慣から探ります。

また、発症年齢と病気の進行についても詳しく解説します。

これにより、病気についての理解を深め、適切な予防策や対処法を身につけることができます

遺伝的要因とは何か?

若年性パーキンソン病の発症には遺伝的要因が関与していることが多いです。

特に、この病気は家族歴がある場合に発症リスクが高まるとされています。

遺伝子の変異が原因で、ドーパミンを生成する神経細胞が正常に機能しなくなることが、この病の一因と考えられています。

環境的要因と生活習慣

若年性パーキンソン病の発症には、環境的要因も大きく影響します。

特に、農薬や溶剤などの化学物質への長期間の露出がリスクを高めることが指摘されています。

また、不規則な生活習慣やストレスが神経系に影響を及ぼし、症状を引き起こすこともあります。

若年性パーキンソン病の発症年齢と進行

若年性パーキンソン病の進行は、成人期以降に発症するタイプと比較して一般的に遅いとされています。

しかし、この遅い進行性にもかかわらず、長期にわたる病気の管理が必要となるため、生活に多大な影響を与える可能性があります。

早期診断がなされれば、適切な治療計画により症状の進行を遅らせ、患者様の生活の質を維持することができます

この遅い進行性によって、治療を選定する際は、慎重な検討が求められることとなります。

若年性パーキンソン病の患者様は長期にわたる病気との付き合いが想定されます。

物理療法、薬物療法、場合によっては外科手術など、多岐にわたる治療の中から、患者様に最適な治療を選択することが大切とされています。

診断と治療

診断と治療

この章では、若年性パーキンソン病の診断過程、現在利用可能な治療方法と、治療の効果について詳しく探っていきます。

病気の理解を深め、適切な治療選択をするための知識が身に付きます。

診断過程で行われる検査

若年性パーキンソン病の診断は、症状の詳細な評価神経学的検査に基づいて行われます。

主な検査には以下が含まれます。

・神経学的評価

運動能力と反射を評価します。

・脳の画像診断

MRIやDATスキャンを用いて、脳の構造やドーパミン活動を調査します。

これらの検査は、他の可能性のある状態と区別し、正確な診断を下すために不可欠です。

現在受けられる治療方法

若年性パーキンソン病の治療は、症状を管理し、生活の質を向上させることを目的としています。

現在利用可能な治療方法には以下があります。

・薬物療法

レボドパ製剤などの薬剤を用いてドーパミンの不足を補います。

・外科手術

症状が重い場合に、脳深部刺激術(DBS)が適用されることがあります。

この治療は、患者様の症状と健康状態に基づいて個別に調整されます。

治療計画と患者様への影響

治療計画は、患者様の症状、年齢、生活状況に応じて調整されます。

治療の主な目的は、以下の通りです。

・症状の軽減

日常生活における障害を最小限に抑えます。

・自立の支援

患者様ができるだけ自立した生活を送れるよう支援します。

これにより、患者様は病気と共に生きる方法を学び、より充実した生活を送ることが可能になります。

パーキンソン病のヤール分類とは?【リハビリと日常生活の対処法!】

日常生活と対処法

日常生活と対処法

この章では、若年性パーキンソン病患者様が日常生活で直面する課題に対処する方法をお伝えします。

運動療法、適切な食生活、そして社会生活の維持を支援する心理的手法を詳しく解説します。

患者様がより活動的で健康的な生活を送るための実用的な情報となればと思います。

運動療法とリハビリテーション

運動療法は若年性パーキンソン病患者様の症状管理に非常に有効です。

定期的な運動は、筋力の維持、柔軟性の向上、そして全体的な身体機能の促進を助けます。

リハビリテーションプログラムには、以下の活動などが含まれています。

・ウォーキングや水中運動

・ストレッチやヨガ

・バランスを改善するエクササイズ

これらの対処法は、専門のリハビリテーションセラピストの指導のもとで行われます。

そして、患者様の個々のニーズに合わせて実施されます。

脳神経リハビリセンターでできるバランスを改善するエクササイズをご紹介します。

・座位または立位で骨盤を前後と左右に傾ける。

・壁にもたれながら片足立ち練習

・壁にもたれながら両足同時に膝を曲げる

食生活と栄養管理5選

若年性パーキンソン病患者様の食生活栄養管理は、症状の管理と全体的な健康維持において極めて重要です。

適切な栄養バランスをとることで、体力とエネルギーを維持し、病気の進行を遅らせることが可能です。

以下が、若年性パーキンソン病に特に有効とされる栄養管理の5つのポイントです。

1.抗酸化物質を豊富に含む食品の摂取

フルーツ、野菜、全粒穀物に含まれる抗酸化物質は、体内のフリーラジカル(細胞を傷つける化合物)のダメージを軽減します。

特にビタミンC、ビタミンE、セレニウムを多く含む食品を積極的に取り入れましょう。

2.オメガ3脂肪酸の摂取

心血管の健康を支援し、炎症反応を抑える効果があるオメガ3脂肪酸は、魚油や亜麻仁油、くるみなどに含まれています。

これらは神経保護にも役立つとされ、定期的に摂取することが推奨されます。

3.良質なタンパク質の摂取

タンパク質は筋肉の健康維持に不可欠です。

肉、豆、豆腐、卵など、多様な食材からタンパク質を摂ることが大切です。

ただし、レボドパとの食事による相互作用を避けるため、摂取のタイミングに注意が必要です。

4.適切な水分摂取

脱水は便秘や血圧の問題を悪化させる可能性がありますので、十分な水分補給を心がけることが重要です。

1日に8〜10杯の水を目安に摂取しましょう。

5.食事のタイミングと小分けの食事

パーキンソン病患者様は胃腸の動きが遅くなることがあり、食事の消化に時間がかかることがあります。

小分けにして頻繁な食事を取ることで、栄養吸収を助け、体内の栄養を一定量保つことができます。

これらの栄養管理を実施することで、若年性パーキンソン病の症状の調整を良好にします。

また、患者様の日々の暮らしに必要な栄養を適切に確保することができます。

定期的に栄養士や医師と相談し、個々の健康状態に最適な栄養管理を継続的に調整することが良いとされています。

社会生活と心理的支援

社会生活の維持適切な心理的支援は、若年性パーキンソン病患者様の生活の質を大きく向上させることができます。

友人や家族との良好な関係を保つこと、趣味や興味を持続すること、そして必要に応じて心理療法を受けることが良い助けになります。

また、支援団体と関わることで、同じ状況にある他の人々とのつながりが得られ、精神的な支援を受けることができます。

支援とコミュニティ

支援とコミュニティ

この章では、若年性パーキンソン病患者様とご家族様が利用できる様々な支援とコミュニティに焦点を当てます。

オンラインでの情報共有、新しい治療方法の研究進展、そして地域社会での支援団体の役割について詳しく探ります。

社会資源を活用することで、患者様とご家族様が日々の生活を積極的に過ごすきっかけとなるでしょう。

インターネットの情報

インターネットは、若年性パーキンソン病に関する貴重な情報源となっています。

特に、治療法や日常生活の工夫、他の患者様の成功事例についての情報が豊富に提供されています。

自宅にいながらにして有益な知識を得ることができ、病気との向き合い方に自信を持つことができます。

新たな治療法の研究

若年性パーキンソン病の治療に関する研究は日々進化しており、多くの新しい治療法が開発中です。

これらの進展は、患者様にとって新たな希望となり、将来的に病気をより効果的に管理する方法が提供されることを示唆しています。

研究の最新動向を追うことで、患者様は治療の選択肢を広げ、最適な医療を受ける機会を得ることができます。

地域の支援団体

地域社会に根ざした支援団体は、若年性パーキンソン病患者様とご家族様にとって有用な資源です。

支援団体は、同じ状況にある人々が互いに経験を共有し、支え合う場を提供してくれます。

また、実用的な支援、情報提供、社会的活動など、様々な形で患者様の生活をサポートしてくれます。

これにより、患者様は孤立感を軽減し、社会とのつながりを保ちながら病気に対処できるようになります。

パーキンソン症候群は治る?【治療の新しい研究と症状改善の実例!】

まとめ

まとめ

最後までお読みいただき、有難うございました。

この記事を通じて、若年性パーキンソン病に関する貴重な情報をお届けしました。

定義から症状、治療方法に至るまで、様々な側面からこの病気をご理解いただけたと思います。

また、日常生活の対処法やコミュニティの支援についても触れ、患者様やご家族様が前向きに病気と向き合い、

質の高い生活を送るための具体的な手段をお伝えしました。

若年性パーキンソン病の方々が、希望を持って未来に向かわれることを心から願っています

この記事が皆様の支えとなり、日々の生活にお役立ていただければ幸いです。

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この記事を書いた人
前川 裕樹

前川 裕樹

作業療法士

2020年に作業療法士免許を取得。急性期・回復期・維持期・外来リハビリ等様々な分野でのリハビリを経験。主に脳血管疾患・整形外科疾患・神経難病の方のリハビリに携わる。            
私は「お客様のご希望を全力でサポートするリハビリ」を常に心掛けております。
お客様の立場になり考え、ご希望に沿って、適切なリハビリプログラムをご提案し、目標達成を目指します。精一杯のリハビリを実施し、全力でサポート致します。